ソルフェージュ。


苦手だった。


新曲視唱、頭には綺麗なメロディが流れることもあるが、声にはならない。


聴音、専攻の性格上、音域によってはin E♭にもin B♭にも聴こえてきてしっちゃかめっちゃかな楽譜になる。


しかし大学を卒業した後、あの時苦労していたソルフェージュについて、あれがあったから今に活きているとか、苦労しておいて良かったとか実感したことはほぼない。


管楽器の仕事においては、特に平均律の音当てゲームのような聴音がどんだけできたところで、それはトレーニングであり、1Hzの音程を耳で理解しコントロールできなければ、使い物にならない。


なんて書くと怒る人もいるかもしれないが、実際そうだと思う。


とはいえ僕はレッスンでソルフェージュについてはとても大切にしているつもりだ。

苦手だったくせにと思われるかもしれないが、倍音を聴く耳を育てたり、差音に気づけたり、微妙な音程を聴き分けたり、フレーズの中での音と音の距離感や、アンサンブルでの自分の立ち位置やバランスを感じるのはとても大切で、それもソルフェージュだろう。


昨日見た東京藝大のソルフェージュ担当教員、三ツ石潤司氏の動画。

なんとも頷けるお話ばかりで、感激した。

東京藝術大学 ソルフェージュ講座紹介