「〈働く〉ことは稼ぐこと?-後篇-」東大ママ大学院生の寄稿コラム第25回
昨日から日本列島を春の嵐が襲っていますが、
みなさん、お住まいの地域は、いかがですか?
突風や大雨、どうぞお気を付けくださいね!
さて、今日は、先日お届けしました
東大ママ大学院生・寄稿コラムの後編です。
働くことに対して
「労働時間貯蓄口座制度」という
ユニークな制度を制定しているドイツ。
ドイツ社会はいったい
「何を大事にしている」のでしょうか?
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こんにちは!
東京大学大学院生の齋藤早苗です。
さて、前回、
ドイツで「労働時間貯蓄口座制度」がある、というお話をしました。
残業した時間分を、休みに振り替えることができるというものです。
こうした制度をつくる人たちは、
いいかえると、こうした制度を必要とする人たちは、
どんなことを大事だと考えているのでしょうか?
それは、お金をもらって働くすべての人にとって、
〈生業以外の「働く」〉を担う時間が大事だ、
ということだと思うのです。
親であってもなくても、
たとえば、
何年かに1回はボランティアで1ヵ月休む人とか、
見聞を広げるための旅行で2ヵ月休むとか
学び直しのために1年休むっていう人が、
ふつうにつねに職場にいて、
それで仕事が回ることがわかっていたら、
育休とることもそんなにハードルが高くなくなりますよね。
みんなが、生業以外の〈働く〉のために時間をつかう社会で
男性が育休をとることと、
みんなが、生業以外の〈働く〉のために時間をつかえない社会で
男性が育休をとることは、
同じ「男性が育休をとる」という出来事でも、
ぜんぜん意味がちがってきます!
みんなが生業以外の〈働く〉のために時間をつかえるなら、
親が子育てのために会社を休むのは
「タイムラグがすくなく確実性の高いお互いさま」です。
一方、
みんなが生業以外の〈働く〉に時間をつかえない社会では、
親になった人の特権のようになってしまって、
「お互いさま」にはならない気がするのです。
もし、なるとしても、
「いつかぼくも子どもをもったら助けてもらう立場になるから」
「子どもが小さいときに助けてもらったから、
子どもが成長したら助ける側になる」
と、
「タイムラグが長くて確実性の低いお互いさま」
だと思います。
親だけが休める社会ではなく、
みんなが休める社会になってほしい。
そう願う人が増えてくれればいいな、と思っています。
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なるほど、
「働く」ことは「お金を稼ぐこと」という硬直した考え方ではなく、
いろんな「働く」があることを再認識して、
お互いに受け入れ合うことが大事、ということですね。
(という理解で、いいのでしょうか?)
「働くとは、どういうことか?」
今一度、考えてみたいですね~
(ぜひ、子ども達にも考えてもらいたいです)
齋藤さん、
今回もとても深いコラムをお寄せいただき
ありがとうございました