その1:気を付けることは?予防法は?
このところ、ますます広がりをみせている新型インフルエンザ。
妊娠中は特に、心配なところですね。
毎日ニュースを見ては、ドキドキされている方も少なくないのでは?
そのうえメディアや街には、いろんな情報や対策グッズがあふれ、
私たちの不安や戸惑いは、増すばかりです。
そこで今回は、
いつもお世話になっている聖路加看護大学の先生に
『妊婦さんのインフルエンザ対策』についてお話を伺ってきました。
質問にお応えくださったのは、
聖路加看護大学看護学助教で国内外でご活躍の感染症のスペシャリスト
堀 成美先生です。
さっそくですが…
みなさんが心配されている新型インフルエンザ、
妊娠中ということで特に気を付けることはありますか?
堀先生
「基本的に、妊婦さんも妊婦さんでない人も、感染症の対策は一緒です。
ただし、妊娠している時としていない時では免疫の状態が違いますので、自分と自分の赤ちゃんを守るために、インフルエンザをはじめ感染症に気をつけようという気持ちが大事かと思います」
インフルエンザを予防する具体的な方法はありますか?
堀先生
「有効とされているのは、手洗いです。
ウイルスが身体の中に入っていくのは、目と鼻と口です。ですので、そういったところを自分で触ったり、食事する前には必ず手を洗うことが重要かなと思います。
『なんだ、そんなことか』と思うかも知れませんが、実際には、世の中の人の手洗いは、すごいバラバラ。なかには、濡らしただけで洗ったことにしている人もいます。
今回のインフルエンザは、少し騒ぎ過ぎなところもありますが、せっかく『妊婦だから頑張ろう!』と思われるのなら、ちゃんとした手洗いを心がけて、この機会に、生活の中に位置付けたら良いのではないかと思います。手洗いは、お金もかからないし、とても良い予防法ですよ」
いろんな対策グッズが販売されていますが…?
堀先生
「あまり影響ないですね。買わなくてはならないものは、いっさいありません」
マスクは、どうですか?
堀先生
「マスクは、いろんなことを言う人がいますけど、マスクをしたから大丈夫と思うのは、良くないかなと私は思います。ほかのことを忘れちゃうと良くないですね。
みなさんが一生懸命つけていらっしゃるのになんですけど、一般の方の日常生活で予防効果があるとは言われていませんので。
『常に着けていなくちゃ…』とか、そういうことではなくて、例えば人ごみに行くとか、満員電車に乗って人の息がかかってしまうとか、そういった状況を考えて使用する方がいても良いかなとは思います。
マスクがないからと不安になることは、全くありません。マスクをしたから100%大丈夫ということでもありません。
それだったら、人ごみに行かなくて良い時は行かないとか。あえて混んでいる電車に乗らないとか、日常の工夫が大切かと思います。
基本的にマスクは、症状がある人が他の方へうつさないためのものです。あまり神経質になる必要もありません。マスクが買えないことで不安になっても、あまり意味がないと思います」
・・・堀先生へのインタビューは「その2」へと続きます。