BABYDOLL LOUNGE -928ページ目

RCサクセション EPLP

EPLP(紙ジャケット仕様)


小学校高学年の頃、

テレビを見ていたら突然奇抜なメイクと派手な衣装で

画面から飛び出してきた清志郎さん

慌てたのは、まだロックを知らない幼き自分

腕を引っ張られ、未知の世界へ


当時、学校の近くの帰り道に町で初めての

レンタルレコード屋さんがタイミングよく登場した。

手にとったのは「EPLP」

経験値も知識も足りない自分は清志郎さんの声を面白がった。

家の木でできた古いオーディオのレコードプレーヤーに乗せて

あの面白い声を聞きたい・・何度も針をおろした。


中学に進学した自分は歌詞の意味が少しわかるようになった。

面白い声だけでなく言葉が耳に入り伝わるようになった。

学校はつまらなく 屋上でさぼったりもした。

煙草の煙に噎せながらメロディーを頭の中で鳴らしていると

青い空に白い雲が流れていった。


高校に入るとバイトをするようになった。

面白い声の人は日本を代表するロックバンドになっていた。

バンドにあこがれたが、あんな風に自分は歌えない。

今度はギターが欲しくなった。

ファミレスで皿洗いのバイトをした。

ギターはすぐにでも欲しかったが安い時給・・

ボスに給料上げてくれといいたかったが 何も言えず、

たまに腹が痛くて、と嘘をついてさぼったりもした。


バンドを組み、夢を追いかけて、挫折もした。

それでも自分を支えてくれる人と出会ったりした。

「君が僕を知っている」「わかってもらえるさ」

いつのまにかまるで自分の歌のようになっていた。


あの頃、清志郎さんは永遠だと思っていた。

清志郎さんは最後にごく当たり前のことを自分に 教えてくれた。

人はいつかいなくなるということ。

それでも歌はいまでも聴こえてくる。

きっと自分が消えない限りは永遠と言えるのだ。


清志郎さん

あの時見た虹の架け橋は一生忘れないよ。