私の推しのあの子と初めて出会ったのは今から15年前。
母が闘病中でもう危ないと言われてた頃、落ち込む私を夫が励まそうとしてあるペットショップに載っているあの子の写真を見せてきた。
一目惚れだった。
それがあの子との始まり。
母を亡くして悲しみの中にいた私の心をたくさん癒してくれた。 女の子なのにお転婆でひたすら元気な子。
赤ちゃんの時は噛みつき亀みたいで何度注意したことか。
他の子を可愛がってるのにすぐに割り込んでくる。
2階に洗濯を干しに行く時もいつもついてきてたね。
時にはお風呂入ってる時も開けて〜ってやってきてたね。
寂しがりやで甘ったれな子。
ソファーで休んでいれば当然のように膝の上に乗ってくる。
料理してれば私の周りをうろうろしてて。
いつもいつも側にいてくれたね。
そんなあの子が心臓病になったのは5年前。
年々、薬の量が増えていき、心臓もどんどん大きくなっていった。
4年位前からはもういつ何が起きても仕方ない状態だと言われていた。
でもあの子はその頃はすっごく元気だった。
咳がひどくなってきたな。とは思っていたけど。
散歩も行きたがってて夕方だけ必ず連れて行ってあげた。
いつも嬉しそうにはしゃいで歩いてた。
そんな穏やかな日々が続いてた。
去年の10月までは。
肺水腫になった。
病院も私達ももうダメだと思った。
その時に私が「お願いだから死なないでよ」って泣きながら言った時、あの子のそれに答えてくれるような真っ直ぐな目を今でも忘れない。
奇跡が起きた。
入院生活と自宅療養を経て回復した。
また元気になった。食欲も元に戻った。
それから8ヶ月が過ぎ。
だいぶ元気は減ったけど、それでも普通の日常を過ごした。
お散歩はもう行けないから庭に出していたけどその時が一番嬉しそうだった。
はしゃぎ回る姿が本当に可愛くて、甘えてくる姿が愛しくてこの子のためなら何でもしてあげたいと思った。
可愛いくて可愛いくて仕方ない。
これだけ可愛いと思える存在。
これだけ大好きでたまらない犬はもう現れない気がする。
まんまるな顔も、ちょっとワガママだけど甘ったれな性格も、毛並みも、体格も全てが大好きで大好きでたまらなかった。
でもそんな私達に別れは確実に近づいていた。