「ゆ、勇者なの?」
その女性はガボの言った事に明らかな不信感を持った声をもらした。
「うん!竜王を倒しアレフガルドを救う旅をしてるんだ。」
ガボは構わず言葉を続けていった。
「旅人なんだ、だから今日はウチの宿屋に…」
「じゃあ、お客さんなんだ。」
パチンと手を叩きその女性は笑顔で言った。
「今日の宿はお決まりですか?ぜひウチの宿屋にどうぞ。」
元々宿屋に泊まるつもりだったが、こんな太陽を思わせる見事な営業スマイルを見せられたら誰でも泊まってしまうだろう。
「お…お願いします。」
照れてしまい、シドロモドロな返事になってしまった。
「こんなブス相手に照れてるんだにーちゃん。」
すかさずにガボが突っ込んでくる。
「ちょっとガボ!」
「うわー、ブスが怒った逃げろ~」
「待ちなさい!ガボ!」
ガボの言葉に反応したその女性は声を荒げて追いかけ回した。
だが、逃げ足の速いガボは町の中にさっさと消えてしまった。
「お見苦しい所を見せて澄みません。」
ガボに逃げられた女性が戻ってきた。
ブスなんてガボは言ったがとんでもない、とても可愛い人だ。
「私ガボの姉でローラといいます。」