イメージとは違ったが町に入ると住んでる人は活気に溢れていた。
「『どんな時も笑顔を忘れない。』」
ガボの家に向かう途中に横でガボが言った。
「町に伝わってるガライが言った言葉なんだ。
『竜王軍に攻められ、怪物の影に怯え、うつむいて暮らす、そんなのまっぴらだ。』
町長をはじめ、じーさん達が声を合わせて、『ガライに倣え。明るく生きろ。』そんな風に口々に言って古きガライの言葉を語り出したんだ。
昔語りの町だけに。」
笑顔で話すまだ幼いガボに逞しさを見た。
「あれ…?笑うところだよ。」
ガボが拗ねた様な顔で呟いた。
「??笑うところ?」
意味がわからなかった。
「だから…昔の人ガライの言葉を語ると“昔語りの町”に掛かってるんだよって説明させないでよ。」
「???」
「もういいよ・・・」
気にさわったようでガボはむくれてしまった。
しばらく無言で歩いていると通りの向こうから声がした。
「あっお帰りガボ。」
宿屋から出てきた女性が迎えてくれた。
「あっただいま、ねーちゃん。」
ガボが答えた。
「そちらの人は誰?」
その女性をは不思議そうに僕の方を見てガボに聞いた。
「アレフ!勇者なんだ。」