「武器は持っていると?」
「はい、父が持たせてくれた剣があります。」
そう言うとアレフはあの剣を王に差し出した。
「見せて貰おうか。」
そう言うと王は剣を受け取りまじまじと見た。
「なにやら不思議な波動を感じる剣じゃ、どこかで感じた覚えがあるぞ。」
そう呟き、何かを思い出そうと王は目を閉じた。
「“太陽の石”では?」
王の隣に立っていた大臣が王に言った。
「そうじゃ“太陽の石”、この暖かみの有る波動は“太陽の石”と同じもの。かつて魔王を倒した勇者ロトがこの城に残した神秘の石の波動と似ておる。」
目を閉じたまま王は続けて言った。
「我が城に伝わる至宝だが、そなたがこの世を救える勇者であるしるしとして、竜王につれさられた我が娘フローラを連れ戻す事ができればそなたに授けよう、必ず竜王を倒す力と成ろう。」
それを聞いた大臣が慌てて言った。
「それはなりませぬ王よ。
光の玉が竜王の手に堕ちてもこのラダトームが無事でいられるのは“太陽の石”の、精霊神ルビスの守りがあるからこそなのです。
その宝を渡してしまってはこの国は保ちません。」