愛する幸せ教えてくれた | にゃんころりんのらくがき

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交遊録 杉本彩④


 私の心に多くの喜びと感動をもたらしてくれる動物たち。ただ、彼らとの生活は楽しいだけのものではありません。いつかは訪れる別れの悲しみや苦しみ。それらとも向き合わなければなりません。ペットロスに陥ったこともありました。


 私が若い頃、10歳の愛猫を心臓病で失い、「もっと早くに気付いてあげていたら……」と、後悔の念に押しつぶされそうになりました。食事は喉を通らず毎日泣き暮らして、体重は激減。周りのどんな慰めの言葉も、私の耳には入りませんでした。


 そんな時、近所からのSOSで、虐待されていた子猫を引き受けることになったのです。人間恐怖症で少しでも近付こうものなら、子猫自身が大けがをしそうなほどの、パニックを起こしていました。暴れ狂うためお手上げだと相談を受け、うちで様子を見ることにしたのです。


 3か月がたった頃、ようやく心を開き始め、少しずつ距離を縮めて、体に触れることもできるようになりました。「何とかしたい」と子猫と向き合ううちに、悲しみのどん底にいた私の心が、いつしか救われていたことに気付きました。私を必要としていた子猫は、私にとっても必要だったのです。その子猫が、現在12歳になるアントニオです。


被災地から来た猫の花子がうちで産んだコタロウは、人や犬猫に囲まれて穏やかな環境で生まれ育ちました。だから、一度も怖い思いをしたことがなく、警戒心はゼロ。けれども他の猫たちは皆、何かしらのトラウマを持っていちに来ています。アントニオと同じように、人を信用するようになるまでかかる時間もプロセスも様々です。

 
 いまだになついてくれない小春という猫がいますが、それもまたかわいいものです。それでも保護された2年半前に比べれば、ずいぶん表情も和らぎ、時々おなかを見せるようになりました。


 パピヨンの小梅は当初、犬用の心地よいベッドの上に乗ることができませんでした。11年もの間、パピーミル(子犬生産工場)のケージの中の、硬い寝床しか知らず、初めてのもの全てが怖かったのでしょう。オモチャや小さな物音もダメでしたが、3年がたち、今では別人ならぬ別犬。過去を感じさせないほど明るくなりました。


 人生には数々の試練があります。愛することに挫折しそうな時も愛を諦めず、愛を至上のものとして生きてこられたのは、愛することの幸せを教えてくれた動物たちの存在があったからです。私が動物たちを救っているつもりでも、本当は私が彼らに救われているのだと思います。


(女優・作家)(おわり)

 読売新聞 2013年10月25日
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ウチの子もみんな捨てられて、腹ペコで、ガリガリで、ウチを見つけてやって来ました。
って言うか、私が見つけてしまうのでしょうか?


まあ、捨てに来る人も「あそこにバカが住んでいるぞ」と心得ていて、
その罠にいちいち嵌りまくっているような気もしますが。


飼い始めたなら一度手術さえしておいたら、

『捨てる』というようなつらい別れをせずに済むのに。。。

どんなに哀れな鳴き声を聞いても、姿を見ても、

なんともないらしい人も、、、不思議です。


ウチもここ数年で、癌や腎臓病などで4匹亡くしました。
病院通いの車の中でも、先生と話していても、待合でも、

大粒の涙があふれてあふれて困りました。


もうすぐ、悪性リンパ腫で先にいってしまった風太の、一周忌がきます。。。