『王の血脈』 第6章 4
「あっ……と、逃げないでよ。そんな風に逃げられると余計追いかけたくなるじゃん」
キルシェが、手甲鉤の切っ先をちらつかせ、小首をかしげる。
カリエはかまわず一心にその場を離れた。
他の≪闇狩人≫に気取られないように細心の注意を払って森を駆け抜ける。
だが、キルシェも仲間を呼ぶつもりは毛頭なかった。
こんな楽しい狩り、一人で楽しまなきゃソンでしょ。
相手の暗殺者は前に遭遇した時通り、かなり身のこなしが軽い。
キルシェは思う。自分にはうってつけの相手だと。
カリエは森の中を懸命に走り、追っ手から逃れようとする。
しかし、相手の≪闇狩人≫の方がこの近辺の地形には詳しかった。
「ねぇ」
その声が聞こえた時には、カリエは喉笛に手甲鉤をかけられていた。
信じられない俊敏さで。
「なんで君みたいな子供が暗殺者なんてやってんの?」
口元には笑みをはき、しかし空色の瞳は決して笑っては居ないキルシェがそこに居た。
「ギルドはどうやって暗殺者を調達してんだよ」
キルシェの口唇から笑みが消える。
少しクセのある前髪が目元に影を落とし、更に雰囲気を不穏な物にしていた。
「答えたら、生かしてあげても良いよ?まぁ、五体満足とは行かないけどね」
何か情報を聞き出せれば、とキルシェは常にない考えを、その時頭に置いていた。
しかし、暗殺者は絞り出すような声で答えたのだ。
「……殺せばいい」
カリエは押さえ込まれた形で、瞳に力を込めた。暗褐色の、暗い眼光。
「僕たちとお前たちは、同じ人殺しだ」
その言葉にキルシェが笑う。
「バッカだなぁ。僕たちはゴミの掃除をしてるだけだよ」
天使の笑みは、この上なく魅惑的だった。
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さてさて!?
※オモウコト
さすがゆべちゃん。キャラの設定がわかりやすくとってもキルシェが書きやすいので、ありがたいです。
そして、エリカおやじさんのカリエは、完全にわたし流に使わせていただいています。対照的!ありがたいのは同等です!
あ?……あれれ?
一人称が二人とも漢字の「僕」になってるけど……なんか違った気がする。……うーんん。
とりあえず、これでおねがいします!←

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