夕の空 (朱音の空想想像小説) -83ページ目

『王の血脈』 第6章 4


「あっ……と、逃げないでよ。そんな風に逃げられると余計追いかけたくなるじゃん」
キルシェが、手甲鉤の切っ先をちらつかせ、小首をかしげる。

カリエはかまわず一心にその場を離れた。
他の≪闇狩人≫に気取られないように細心の注意を払って森を駆け抜ける。

だが、キルシェも仲間を呼ぶつもりは毛頭なかった。
こんな楽しい狩り、一人で楽しまなきゃソンでしょ。

相手の暗殺者は前に遭遇した時通り、かなり身のこなしが軽い。

キルシェは思う。自分にはうってつけの相手だと。

カリエは森の中を懸命に走り、追っ手から逃れようとする。
しかし、相手の≪闇狩人≫の方がこの近辺の地形には詳しかった。

「ねぇ」

その声が聞こえた時には、カリエは喉笛に手甲鉤をかけられていた。
信じられない俊敏さで。

「なんで君みたいな子供が暗殺者なんてやってんの?」

口元には笑みをはき、しかし空色の瞳は決して笑っては居ないキルシェがそこに居た。

「ギルドはどうやって暗殺者を調達してんだよ」

キルシェの口唇から笑みが消える。
少しクセのある前髪が目元に影を落とし、更に雰囲気を不穏な物にしていた。

「答えたら、生かしてあげても良いよ?まぁ、五体満足とは行かないけどね」

何か情報を聞き出せれば、とキルシェは常にない考えを、その時頭に置いていた。
しかし、暗殺者は絞り出すような声で答えたのだ。

「……殺せばいい」

カリエは押さえ込まれた形で、瞳に力を込めた。暗褐色の、暗い眼光。


「僕たちとお前たちは、同じ人殺しだ」


その言葉にキルシェが笑う。

「バッカだなぁ。僕たちはゴミの掃除をしてるだけだよ」

天使の笑みは、この上なく魅惑的だった。






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さてさて!?

※オモウコト
さすがゆべちゃん。キャラの設定がわかりやすくとってもキルシェが書きやすいので、ありがたいです。
そして、エリカおやじさんのカリエは、完全にわたし流に使わせていただいています。対照的!ありがたいのは同等です!

あ?……あれれ?
一人称が二人とも漢字の「僕」になってるけど……なんか違った気がする。……うーんん。
とりあえず、これでおねがいします!←



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