『王の血脈』 第6章 5
まだ夕暮れにはわりと時間があるのに、どこかで遠吠えのような鳴き声が聞こえた気がした。
そう思って歩いて居ると、ピリピリと神経を尖らせて周囲を警戒しているディーの背後に一目散に奔ってくるモノが居た。
「うわっ」
例の狼の彼女がディーの背中に飛びかかった。
重みと不意打ちに思わずディーの体勢が崩れると、彼女は容赦なくディーにのし掛かる。
そして、ペロペロと育て親の顔中を舐めまくった。
最初は抵抗しようとしていたディーも、途中で諦め好きにさせてやる。
ひとしきりスキンシップを楽しむと、狼の彼女は大人しく腰を下ろしたディーの脇におすわりした。
「全くお前は……人間の気配じゃないから、読み切れないじゃんか」
ディーは緊張が解けた顔で狼の彼女の頭をグシグシと撫でる。
人間に標的を絞っていたので、獣の気配に極端に鈍感になっていたディーだった。
「俺もまだまだだな」
お前と会う度、思い知らされるけどな……。
ディーは狼の首に腕を回してギューッと抱きしめた。
クゥンと、狼の彼女は鼻を鳴らす。
「うん、昔は楽しかったよな」
レイネードについてこの森に来て、死にかかっていた狼の赤子を見つけた。
初めは噛みつかれたり暴れられたりして苦労したが、レイネードの言う事も聞かず、つきっきりで世話をしていたら、どうやら懐いてもらえたらしい。
その頃は、世界に闇がある事など知らない、ただの無邪気な子供だった。
「お前も、もう結構な歳だろ。俺も歳取ったからなぁ」
ディーが初めてこの狼と出会って、既に十年以上が経っている。
「今夜はこの辺りを離れてな。分かるよな」
ディーが両耳を掴んで鼻をつき合わせると、狼の彼女は茶色の瞳に肯定の意志を見せた。
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狼の彼女、再登場♪
はい、緊張シーン→ゆるシーン。ここいらでちょっと一息。
子供の頃のディー書きたい。
父親になったディーも書きたい。
(いや、その頃にはかなりもう情けないッポイんだがw)
その為には、はよ血脈を終わらせなければね! (°∀°)b

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