スターバックスの戦略がすごい | 戦略コンサルティング日記~URBAN TRAIL DIARY~

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戦略コンサルティング業務に従事する筆者が、
日々のコンサルティング活動を通じて得た気づきや学びを書き綴ります。

ありとあらゆるメディア(WEBサイト、新聞、雑誌、書籍等)で言及されている「スターバックスコーヒーの凄さ」ですが、私もコンサルタントのはしくれとして少しそこに触れてみたいと思います。


スターバックスコーヒーが、“サードプレイス(第3の場所)”を基本コンセプトにしていることは有名です。


これは、「商品は”コーヒー”ではなく、”スタバでの体験”である。体験の対価としてお金をもらっている」ということを意識してのコンセプトだと思います。

こだわりの厳選豆を使用したスペシャリティコーヒー、ロゴ入りカップでの提供、顧客とバリスタとの交流、快適な椅子、世界観の伝わる内装、店内の色使い・照明、流れる音楽、そしてコーヒーの香り、これら全てが合わさって1つの商品=体験ということです。


コーヒー1杯300円以上もする価格設定は、日本進出当初「絶対に受け入れらない」と大反対を受けていました。しかし、蓋を開けてみればいまやカフェ業界では1人勝ち状態です。スタバがあるところに人が集まる、そんな状態を創り出しています。


これは、スタバが「どこにでもあるコーヒーを、ここにしかないコーヒーに変えること」ができたたまものだと思います。


ブランドが認知され定着していくと、顧客ロイヤリティが醸成されます。その瞬間、「どこにでもある」が「ここにしかない」に変わります。


有利な価格(圧倒的低価格)や立地、目新しさによるロイヤリティは、明日にはなくなってしまうかもしれませんが、「ここにしかない」という特色・特徴は個人個人にしっかりと根付くため、すぐに消えてなくなるリスクがありません。


これは、言い換えれば「付加価値をつける」ということと同義です。

コーヒー1杯300円のなかには、コーヒーの値段以外にも、前述したような体験の値段が含まれています。これら全てが付加価値であり、これら全てが「ここにしかないコーヒー」につながっています。


さて、こんなスタバですが、ここまで躍進した要因はもちろん色々あると思います。中でも、個人的に成功のキーワードとして挙げたいのは以下の3点です。


①ブランド管理
ブランドが根付けば、競争することなくスターバックスコーヒーが選ばれることになります。ロイヤリティの高い顧客は、企業の永続的発展を助けます。そのためには、顧客からの“評判”を管理する必要があります。そこで、スターバックスは社員全員の「評判」という言葉に関するイメージの統一化を徹底しました。
つまり、顧客からのイメージ・評判を全て因数分解し、どのように思われなきゃいけないのかを共通言語として全社員間で共有しました。そして、その目指すべき姿を“企業ミッション”に、さらには“クレド・行動目標”に落とし込んでいき、ブランドづくり=評判の管理=社員の行動、というように全てを紐づけていったのです。



②低価格の誘惑に打ち勝つ
なぜスターバックスは値引きをしないのか。顧客ロイヤリティは低価格で得られるものではないということを知っているからです。安いという理由だけで釣ろうとする企業は、一番安い価格を提供している間にしか価値を持ちません。他社がもっと安い価格を打ち出した途端、それまでロイヤル顧客だと思っていた消費者たちは、すぐに忠誠心を捨て、よそで買い物するようになります。



③利用場面と顧客の設定
スターバックスは、日本進出当初、顧客の利用場面を以下の5つに設定したそうです。

 ■朝の儀式とも言える日課の一部
 ■友人や家族と過ごす場
 ■ビジネスマンが仕事の延長で気軽に交流を深められる場
 ■自分へのご褒美としておいしいドリンクを求める場
 ■煩わしい雑事から逃れ、リラックスするひとときの場


上記の利用場面での「体験」を極上のものにするため、スタバは顧客を徹底的に尊重します。

スタバにはなぜセット販売がないのか。それも顧客を尊重してのこと。顧客は自分で自分の好みを誰よりも把握していると信じているからです。自分に合った商品をカスタマイズして注文できる環境をつくっているのです。「体験を売る店」で、店舗の都合・カスタマイズのセット商品を売ることは許されない、そんな理由からセット販売もしていません。




コンビニのカフェ市場参入、ネスレの「ネスカフェ」ブランドによる新規参入、星野珈琲などの非セルフ式カフェの台頭など、不安要素はたくさんありますが、スターバックスがこれまで築いてきた基礎を変えることなく邁進していければ、当分の間心配はいらないよなぁと感じます。


安くしなくても売れる、という状態を創り出したって本当に凄いことだと思います。


これからのスターバックスにも注目です。





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