長い週末が明けて、朝イチで大学病院へ病院

産婦人科の初診は、
紹介状があっても予約ができない。
受付時間前に行って問診票を記入し、
待合室で呼ばれるのをひたすら待つ。

手持ち無沙汰だと
また鬼検索してしまいそうだったのでアセアセ
手持ちの文庫本で心を落ち着かせる。
一万円選書で選んでもらったのに
全然読めていなかった吉野弘さんの詩集。
数年ぶりに開くと、
その中の一編から目が離せなくなった。




「虹の足」
―――おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で 
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
(吉野弘詩集より引用)




今まさに見える側と見えない側の
狭間に立つ私には刺さりまくったえーん
視界がにじむのを、
マスクを直すフリをしてごまかす
健康がこんなにも有り難く、
羨ましく感じるものだったとは。。
なんで自分がっていう卑屈な気持ちやら、
家族が健康に過ごせる幸せに
今まで気づかなかった恥ずかしさやら、
よくわからない感情がごちゃ混ぜになって
処理しきれないもやもや




そんなこんなしているうちに、
診察の順番が回ってきた。




診察室に入ると、
中には優しそうなドクターと助産師さん。
クリニックの先生に指摘された事を伝えると
「とりあえずエコーで見てみましょうか」
と診察台に促される。
経腹エコーでぐりぐりされること10分。
ドクターの真剣な表情に
こちらは気が気でないえーん

するとドクター、
「赤ちゃん元気に動いてるねぇ。
それでね、いま頭のところ診てるんだけど…
どうも良く分からないんだよね」


え?!??


「赤ちゃん今お母さんのおへそ側向いてて、角度的にうまく見えないってのもあるんだけど。クリニックの先生が言ってるのがどこの事か分かんないんだよなぁ。このエコー、そんな良い機械じゃないからね。ん〜〜、とりあえず内診台の方でもみましょうか。」


うぇ、あ、はい滝汗滝汗


促されるまま経膣で内診。


「やっぱりよく分からないね〜」
「見た感じ、普通にみえるんだけど…。うーん、良いエコーでちゃんと診た方がいいね。今日は埋まっちゃってるから、また明日来れる?」



なんてこった
大学病院の精密検査って、はなから精度の良いエコーで診る事だと思ってたけど違うのね笑い泣き
なんだったらMRとか撮るのかと思ってたよ。

今日白黒つくと思って来たから、
スッキリしない展開に気持ちが宙ぶらりん。
でも、先生の「普通にみえる」って言葉に
かなり希望が持てた。
まだ明日にならないと分からないけど…



根拠のない不安より、
根拠のない自信!!
とにかく信じて明日を待とう。