今回は、疑問詞「when いつ(ウェン)」と「why なぜ(ワイ)」について説明します。
まず、疑問詞「when いつ」からみていきましょう。

前回、「where」には副詞としてのはたらきがあると言いましたが、「when」にも同様の機能があります。

(1) She played tennis yesterday. 彼女は、しました、テニスを、昨日。(シー プレィドゥ テニス イェスタデイ)

これを疑問文にすると、

Did she play tennis yesterday 彼女は、しましたか、テニスを、昨日?

もし、時期がまったく分からない場合は、

Did she play tennis (        )?

となり、時間に関わる疑問詞「when いつ」を加え、文頭に置きます。

(2) When did she play tennis? いつ、彼女は、しましたか、テニスを。(ウェン ディドゥ シー プレィ テニス)

となり、完成です。

(1)の文で、「yesterday」は、「played」を修飾していました。「昨日」→「した」という構造を持っていました。ですから、「yesterday」は副詞であるといえます。
(2)でも、基本的な形は同じです。「when いつ」→「play する」というかかり方をしています。つまり、「when」も副詞としてのはたらきを持っているということです。

次に、「why なぜ」をみていきます。

(3) She stayed home all day because she was sick 彼女は、居た、自宅に、一日中、なぜなら、具合が悪かったから。(シー ステイドゥ ホゥム オール デイ ビコーズ シー ワズ スィック)

これを疑問文にすると、

Did she stay home all day because she was sick 彼女は、居たのですか、自宅に、一日中、なぜなら、具合が悪かったから。

もし自宅に居た理由がまったく分からないときは、

Did she stay home all day (        )?

となります。そこで、空白部分に理由を尋ねる疑問詞「why なぜ」を挿入し、文頭に置きます。

(4) Why did she stay home all day? なぜ、彼女は、居たのですか、自宅に、一日中。

となり、出来上がりです。
(3)の文で、「because she was sick」は「stayed」を修飾していました。「具合が悪かったから」→「居た」という構造です。
(4)の「because she was sick」は副詞と同じ役割を持っているわけですから、その代わりを務めている「why」も副詞といえます。「なぜ」→「居た」ということです。

もし今日の説明が難しい人は、(1)と(2)、(3)と(4)を比べてその違いを覚えてもらうだけでも力がつくと思います。ただ、理屈で分かっておいた方が高校での授業でも応用がきくようになります。

次回は、「how」を取り上げます。
今回は、疑問詞「where どこで(ウェアー)」について説明します。

この「where」は「what 」や「whowhom)」とは異なった役割があります。
what 」や「whowhom)」は名詞としてのはたらきを持ち、主語や目的語、補語の代わりになりました。
ところが、「where」は名詞ではなく副詞として機能します。以前に説明しましたが、副詞とは動詞などを修飾する言葉のことです。

She played tennis in the park 彼女は、しました、テニスを、(その)公園で。(シー プレィドゥ テニス イン ザ パーク)

これを疑問文にすると、

Did she play tennis in the park 彼女は、しましたか、テニスを、公園で?

となります。もし、どこでテニスをしたのか予想がつかない場合は、

Did she play tennis (       )?

となり、(       )に場所を尋ねる疑問詞「where どこで」を加えます。

Did she play tennis where

さらに、疑問詞を文頭に置きなおして、

Where did she play tennis? どこで、彼女は、しましたか、テニスを。(ウェアー ディドゥ シー プレィ テニス)

これで出来上がりです。
最初に、「where」は副詞としての役割を持っていると言いましたが、このことを少し説明しておきます。

She played tennis in the park.

この文では、「She played tennis.」が骨格部分です。これだけでも文としては完成しています。
in the park」は情報を付け足しているだけです。「in the park」の役割は「played」を修飾するという役割です。「公園で」→「した」という構造になっています。

動詞を修飾するのは副詞のはたらきでしたね。つまり、「in the park」は副詞と同じ機能を持ち、「in the park」の代わりを務める「where」も副詞であるということになります。
動詞を修飾するという役割は「when」「why」「how」でも共通しています。

次回は、「when」です。
今回は、疑問詞「whose」について説明します。この「whose」は「who」の所有格に当たる形です。

This is your book. これは、(~です)、あなたの、本。(ジス イズ ユァー ブゥク)

この英文を疑問文にすると、

Is this your book?

となります。この場合は、目の前にある本があなたのものだろうという推測がなされています。もし、誰の本かまったく見当がつかないならば、

Is this (        ) book?

という表現になり、(        )の部分に、人の所有関係を示す疑問詞「whose」を挿入します。すると、

Is this whose book?

となりそうですが、疑問詞は文頭に置くので、

Whose book is this? 誰の、本、ですか、これは。(フゥズ ブゥク イズ ジス)

これで完成です。
ここで注意することは、「whose」と次に続く名詞「book」は意味的なつながりが強いので1つのかたまりとして扱うということです。「whose book」でワンセットです。

次に、これが少し変化したパターンを見てみましょう。

This is yours これは、(~です)、あなたのもの。(ジス イズ ユァーズ)

疑問文では、

Is this yours

所有者がまったく予想できないときは、

Is this (         )?

となります。この空白部分にも「whose」を加えます。実は「whose」は、所有代名詞「mine、yours、his、hers」などに相当する疑問詞でもあるのです。この例では、「誰の」ではなく、「誰のもの」という意味を持っています。

Is this whose

となりそうですが、疑問詞を文頭に配置して、

Whose is this? 誰のもの、ですか、これは。(フゥズ イズ ジス)

これで正しい英文のでき上がりです。

人にかかわる疑問詞では、「who」、「whom」、「whose」の区別が必要なこと、「whose」には名詞とセットになるケースと「whose」だけで用いるケースがあることを覚えておいてください。

次回は、「where」を見ていきます。
今回は、疑問詞「who」と目的語の関係について触れます。
人にかかわる疑問詞「who」は、文のどの位置に置かれるかによって形が変わります。

人の代名詞の用法を思い出してください。
例えば、「he (彼は、が)」は、文の最初に置かれた場合は主語の役割を果たしますので、「he」という形のままで使われます(主格)。
もし、動詞の後に置かれた場合は目的語の役割を負っていますから、「him 彼に、を」となります(目的格)。
名詞の前に置かれて、その人やものの所属や所有を示す場合は「his 彼の」を使います(所有格)。

こういった格の変化は、「what」にはありませんでしたが、「who」には存在します。
主格「who 誰が」、目的格「whom 誰に、を(フゥム) 」、所有格「whose 誰の(フゥズ)」です。
まずは、目的格「whom」から考えてみます。

She saw him 彼女は、見た、彼を。

疑問文では、

Did she see him

となります。

もし、誰が彼を見たか分からない場合は、

Did (      ) see him?

となるので、(      )に「who」を加えて文頭に置きます。次に、疑問で使う助動詞「did」を省き、「see」を「saw」にすると、

(1) Who saw him

となり、完成です。

では、「She saw him.」の文で、「she」が誰を見たのかが分からない場合はどうなるのでしょう。つまり、「him」の部分が不明のときです。そのケースでは、

Did she see (       )?

となりますから、(       )の箇所に「who」の目的格である「whom」を加えます。

Did she see whom

このままでは正しい英文ではありません。なぜなら、疑問詞は文の最初に置くからです。

(2) Whom did she see? 誰を、彼女は、見ましたか。(フゥム ディドゥ シー スィ-)

となって、完成です。
この文では、正式な主語として「she」があるので、「did」を省略することはできません。
ただ気をつけなければならないのは、現実には、「who」を「whom」の代わりに用いることも多いということです。(「whom」は少し改まった表現に適しています)

Who did she see?

としても問題はありません。(前置詞と疑問詞を並べて文頭に置くときは「whom」を使うべきですが、この形式は少数です。)

最後に、「who」と「whom」の疑問文を並べてみます。

(1) Who          saw him

(2) Whom did she see ?
   (Who

次回は、「whose」を取り上げます。
前回、「what」について説明しました。「what」は、ものや動物、人の職業などが分からないときに使いました。
人の名前や地位などが不明なときは、「who」を使います。

be動詞」と共に使うとき、「who」には、主語の代わりとしての役割「誰が」、補語の代わりとしての役割「誰だ」というはたらきがあります。

まず、①主語の代わりとしての役割、「誰が」をみていきます。

(1) Nancy is the captain ナンシーは、(~です)、主将。(ネァンシー イズ ザ ケァプテン)

これを疑問文にすると、

Is Nancy the captain ナンシーは、主将ですか。 

となります。
この場合は、ナンシーが主将だろうという見当をつけて質問をしています。
もし、誰が主将かまったく分からないときは、ナンシーという名前をあげられないので、

Is (         ) the captain

となり、この(         )に人の名前にかかわる疑問詞「who」を挿入します。また、疑問文では疑問詞は文頭に置くので、

(2) Who is the captain 誰が、~ですか、主将。→誰が、主将ですか。(フー イズ ザ ケァプテン)

となり、できあがりです。

(1) Nancy is the captain

(2) Who  is the captain

は、基本的な形が同じですね。

* ここでは、「be動詞」の疑問文の作り方から説明しましたが、もう少し単純に考え、「who」が主格のときは、主語の位置に代入すると考えても構いません。その際、「who」は三人称単数扱いであること、主語としては不完全であることを思い出してください。

次に、②補語の代わりとしての役割、「誰だ」をみていきます。
もしも、ナンシーがどういう地位にあるのかを尋ねたいときは、

(1) Nancy is the captain

という英文は

Is Nancy (         )?

となります。この(         )に、「who」を入れ、文頭に置くと、

(3) Who is Nancy? 誰ですか、ナンシーとは。

となり、完成します。(A)この文の主語は「Nancy」であること、(B)疑問文のために主語と「be動詞」の間に倒置が起こっていること、を見落とさないようにしてください。

(1) Nancy is the captain

(3) Who is Nancy? 

今回は、倒置が起こっているため、肯定文と疑問文では形が変わっています。
さらに、主語の代わりの「who」と補語の代わりの「who」をくらべると、

(2) Who is the captain誰が主将ですか。

3) Who is Nancy     →ナンシーとは誰ですか。

というように違いがあります。
少しややこしい話ですが、もし、「Who is the captain?」という英文だけを与えられた場合は、「どなたが主将ですか」とも、「主将はどなたですか」とも解釈できます。「Who is Nancy?」も同様に、「どなたがナンシーさんですか」とも「ナンシーさんとはどなたですか」とも受け取れます。
結論から言えば、「who」が主語、補語、いずれを指しているのかは前後の文脈のなかで読み取ってください。

次回も「who」について補足します。
今回は、「what」が一般動詞と共に使われるケースを見ていきましょう。 この場合、「what」は主語の代わりである「何が」、目的語の代わりである「何を」、いずれかの役割を担当します。

まず、①目的語の代わりとなる「what」をみていきましょう。

You ate shrimps あなたは、食べた、えびを。(ユー エィトゥ シュリムプス)

これを疑問文にすれば、

Did you eat shrimps? あなたは、食べましたか、えびを。(ディデゥ ユー イートゥ シュリムプス)

となります。
質問している人は、あなたがえびを食べたのかを確認したいわけです。もしあなたが体調を崩していて、その原因がえびのアレルギーではないかと医者が考えているような場合にはこういった問いかけがなされます。
もし、あなたが何を食べたのか医者にはまったく見当がつかない場合は、食べ物を限定した形での質問はできませんから、

Did you eat (        )?

となります。
この空白部分(        )に入れるべき言葉が分からないため、「what」におきかえます。そして、「what」は疑問詞なので、文の最初のところに持っていきます。すると、

What did you eat? 何を、あなたは、食べましたか。(ワットゥ ディデゥ ユー イートゥ)

という文章が完成します。
what」の後は「助動詞+主語+動詞」という一般動詞の疑問文の基本形が出来上がっています。目的語だけが欠けていますね。なぜなら、「what」が目的語を代行しているからです。

what」には、②主語の代わりである「何が」という役割もあります。

The dog bit him その、犬が、噛(か)んだ、彼を。(ザ ドォグ ビットゥ ヒム)

* 「噛む」は英語では「bite」(原形)です。過去形は「bit」です。

これを疑問文にすると、

Did the dog bite him その、犬が、噛(か)んだのか、彼を。(ディドゥ ザ ドォグ バイトゥ ヒム)

となります。もし、彼が何にかまれたのか分からない場合は、

Did (        ) bite him

となります。
この(        )の部分を「what」におきかえ、文頭に置きます。

What did bite him?

でも、この文は正しくありません。「what」は主語の代わりとなっていますが、正式な主語ではないので、否定や疑問で使う助動詞「did」は不要なのです。そのため、

What bit him? 何が、噛みましたか、彼を。(ワットゥ ビットゥ ヒム)

が正しい文となります。「did」がなくなったため、原形の「bite」は過去形の「bit」になり、「噛んだ」という過去の行為を表現しています。

The dog   bit  him

What     bit  him

いずれも、基本構造が同じであることに注目してください。

次回は、「who」を取り上げます。
今回は、疑問詞を取り上げます。疑問詞とは、「what(何)、who(誰)、where(どこ)、why(なぜ)、how(どのように)」を尋ねる言葉です。

まず、疑問詞「what」から説明します。
what」を「be動詞」と共に使うとき、「what」は主語の代わりである「何が」、補語の代わりである「何だ」、いずれかの役割を果たします。

まず、①補語の代わりとなる「what」、「何だ」をみていきましょう。(補語とは、主語を説明するものです。主語とイコールで結ぶことができます。)

She is a lawyer 彼女は、(~です)、(一人の)、弁護士。(シー イズ ア ローィヤァ)

この文を疑問文にすると、

Is she a lawyer ~ですか、彼女は、(一人の)、弁護士?

となります。
この表現は、周囲の状況や身なりなどから彼女は弁護士なのではないか、という予測がつくときに使います。職業がまったく分からない場合は、弁護士という言葉が思い浮かばないので、

Is she (        )?

となります。
この空白部分(        )を「what」に変えます。そして、「what」は最も注意を引きたい部分なので、文頭に置きます(疑問詞は常に疑問文の文頭に置きます)。すると、

What is she 何者ですか、彼女は? (ワットゥ イズ シー)

となり、完成です。
what」の後ろでは、「be動詞」、「主語」の順にひっくり返っています(倒置)。これは疑問文の基本的な形ですね。補語は欠けたままです。なぜなら、「what」が補語の役割を代行しているからです。


* 疑問詞を使った疑問文では、文尾の発音を高くする必要はありません。肯定文のときのようにそのまま読んでください。


* 人の職業をたずねるときは、「What does she do?」が一般的です。


次に、②主語の代わりとなる「what」、「何が」をみていきます。


His eyes are blue 彼の、目は、(~です)、青い。(ヒズ アイズ アー ブルー)

疑問文にすると、

Are his eyes blue ~ですか、彼の、目は、青い?

となります。
この表現では、「彼の目」を話題にし、確認しています。もし、「彼の目」のような特定のものではなく、主語をあいまいにしたまま何が青いのかを相手に質問したいときは、

Are (        ) blue

となります。(        )を「what」に変え、文頭に置くと、

What is blue何が、ですか、青いのは? (ワットゥ イズ ブルー)

となり、完成です。(「what」は三人称・単数扱いです。

His eyes  are  blue

What     is   blue

は、「主語+be動詞+補語」という基本的な形は同じです。違いは、「?」の有無くらいです。「what」が、主語の代わりを務めていることがわかりますね。
What is blue?」の文には、倒置が起こっていないことにも注目してください。疑問詞は常に文頭に置く、という規則のせいでもありますが、「what」はあくまでも身代わりに過ぎず、正式な主語ではないので、そもそも倒置が生じないのです。

次回は、「what」と一般動詞を見ていきます。
前回は、形容詞のはたらきとして、①主語を説明する(補語になる)、②名詞を修飾する、の2つがあることを説明しました。
副詞にも似たような3つの役割があります。①動詞を修飾する、②形容詞を修飾する、③副詞を修飾する、です。

まず、「①動詞を修飾する」はたらきを見ていきます。

I got up early 私は、起きた、早朝に。(アイ ガットゥ アップ アーリィ)

この文の骨格は、

I got up. 私は、起きた。

です。これは文章としてはすでに完成しています。
ただ、「got up 起きる」という行為が、どのようになされたかについては不明です。そこで、「early 早朝に」といった言葉を添えます。この「early」という副詞を加えることによって「早朝に」→「起きた」ことが伝わります。
文法的には、「earlyという副詞が、「got upという動詞を修飾する構造になっています。

これ以外にも、副詞は、「②形容詞を修飾する」役割も持っています。

He is very rich 彼は、(~です)、とても、富裕な。(ヒィ イズ ベリィ リッチ)

この文の骨格は、

He is rich. 彼は、(~です)、富裕な。

です。文章として不足はありません。
ただ、これではどの程度「rich 富裕な」なのか、という詳しい状態は分かりません。そこで、「very とても」を加えます。この「very」という副詞を付加することによって、「とても」→「富裕な」状態であることが表せます。
文法的には、「veryという副詞が、「richという形容詞を修飾する構造になっています。

更に副詞は、「③副詞を修飾する」というはたらきも持っています。少し複雑そうですが、2段階に分けて考えれば理屈は単純です。

My sister drives very carefully 私の、姉は(妹は)、運転する、とても、注意深く。(マィ シスター ドゥラィブズ ベリィ ケァフリィ)

この文の骨格は、

My sister drives. 私の、姉は、運転する。

です。このままでも文としては完成しています。
ただ、これではどのように「drives 運転する」のかがあいまいです。そこで、「carefully 注意深く」を加えます。「carefully」という副詞を付けることによって、「注意深く」→「運転する」ことが表現できます。
文法的には、「carefullyという副詞が、「drivesという動詞を修飾する構造になっています。

My sister drives carefully

は、正しい文です。
ただ、これではどの程度「carefully」なのかが少し分かりにくいです。そこで、「very」を加えます。「very」という副詞を付けることによって、「とても」→「注意深く」→「運転する」ことが表現できます。
文法的には、「veryという副詞が、「carefullyという副詞を修飾し、「carefullyという副詞が、「drivesという動詞を修飾する構造になっています。

副詞には、これ以外の役割もあります。

Summer is over 夏は、(~です)、過ぎた。(サマー イズ オゥバー)

この「over」は、「越えて、向こう側に」という意味の副詞ですが、形容詞とほとんど同じはたらきをしています。
これ以外にも副詞はいくつかの機能を持っていますが、もっとも大事な役割は、「動詞か形容詞か副詞を修飾する」という点にあります。まずは、ここを押さえておいてください。

次回は、疑問詞です。

今回は、形容詞について考えます。
形容詞の役割は2つあります。1つは、人やものの状態を表すことです。そして、もう1つは、その状態によって人やものを限定することです。
では、「white 白い(ワィトゥ)」という形容詞を用いて、1つ目をみていきましょう。

This flower is white この、花は、(~です)、白い。(ジス フラワー イズ ワィトゥ)

この文では、主語である「This flower」が、どのような状態であるのかを教えてくれています。ここでは、その状態が「white」であると伝えています。

2つ目は、次のような表現で使われます。

This is a white flower. これは、(~です)、(1つの)、白い、花。(ジス イズ ア ワィトゥ フラワー)

これは、主語である「This」が「a white flower」という内容を持っていることを伝えています。
ここで、「a white flower」をもう少し詳しく分析すると、冠詞「a」と形容詞「white」がそれぞれ「flower」を修飾していることが分かります。つまり、

 → flower(1つの、花)」
white → flower(白い、花)」

という関係があることが分かります。

この形容詞「white」が果たしている役割は、他の色を排除しているということです。つまり、「red 赤(レェド)」でも「blue 青(ブルゥ)」でも「black 黒(ブレァク)」でも「green 緑(グリーン)」でもなく、「white」という色を持った花なのだ、と教えてくれるわけです。その花は「white」以外にはありえないと限定しているわけです。

この、限定の意味が分かりにくい場合は、次のケースを考えて下さい。

Give me some dishes. 渡して、私に、(いくつかの)、大皿を。(ギブ ミー サム ディシィズ)

この場合、渡すのはどんな色の大皿でも構いません。しかし、

Give me some white dishes. 渡して、私に、(いくつかの)、白い、大皿を。(ギブ ミー サム ワイトゥ ディシィズ)

と言っている人に、「red dishes」や「blue dishes」、「black dishes」、「green dishes」を渡しても意味がありません。渡してよいのは「white dishes」だけです。「white」という色の大皿に限定されているのです。

形容詞の役割をもう一度確認すると、
1つ目は形容詞だけを使って、主語の状態を説明するという役割です。
2つ目は、名詞の前において、その名詞を修飾し、内容を限定するという役割です。
この2つのはたらきは分かりきったことのように思われるかもしれませんが、これから新しい表現を学ぶ上では、この区別が大切になりますので念のため、整理しておいてください。

次回は、副詞を取りあげます。
前回は、「there isare)+名詞」は、何かが存在することを示す表現であること、名詞の部分には「a 単数名詞」、「複数名詞」、「不可算名詞」のいずれかがくることを説明しました。
しかし注意が必要なのは、原則として、この名詞の部分に「the 名詞」を置くことはできないということです。

There is  knife on the table. あります、(一つの)、ナイフが、テーブルの上に。(ゼァー イズ ア ナイフ オン ザ テェィブォ)

は可能ですが、

There is the knife on the table. あります、(その)、ナイフが、テーブルの上に。(ゼァー イズ ザ ナイフ オン ザ テェィブォ)

は間違いです。この場合は、次のようになります。

The knife is on the table. (その)、ナイフが、あります、テーブルの上に。(ザ ナイフ イズ  オン ザ テェィブォ)

* 「is」、つまり「be動詞」は、これだけでも「ある」「いる」を表すことができます。

では、なぜこのような使い分けが必要なのでしょうか。
それは、英語の表現にはある傾向があるからです。英語では、「古い情報」から「新しい情報」へ、という流れがあります。
「古い情報」とは、聞き手が既に知っている人やもののこと、既知の情報のことです。
「新しい情報」とは、聞き手がそれまで知らなかった人やもののこと、未知の情報のことです。 

you、she」などの代名詞や「theのついた名詞は、誰のこと、何のことを指しているかをすでに聞き手は知っているはずですから、「古い情報」になります。
逆に、「などではじまる名詞は特定されていない、未知の情報を示しているので、「新しい情報」と言えます。 
存在をあらわす表現では、この区別が大切です。

The knife is on the table.

は、「the knife」(古い情報)から文が始まっていますから正しい文ですが、

 knife is on the table.

とすれば、「 knife」(新しい情報)から文が始まっていますから誤った文となります。

では、「新しい情報」をいきなり登場させるにはどうしたらよいのか、という問題が出てきます。
そのために、「there isare)」の形式が用いられるのです。
ある人やものを初めて話題に出すとき、その目印として「there isare)」を置いておけば、この次には新情報が来るぞ、というシグナルとなるのです。聞き手の注意をうながす役割を負っているのです。そのため、

There is the knife on the table.

としてしまうと、既に知っている「the knife」を新情報として扱うという矛盾が出てきます。これでは意味がありません。

There is  knife on the table.

の形にしてこそ、新情報である「 knife」のことを話題に出すぞ、という予告の役割を果たせるのです。
 knife」の部分は、特定されていない情報であればよいので、冠詞のついていない複数名詞や「some 名詞」、「no 名詞」なども可能です。

There are some knives on the table.

* 「the」だけでなく、「this、that」や「my、hisなどのついた名詞人名なども特定できる名詞になるので、通常、「there isare)」の後にはきません。

次回は、形容詞を取り上げます。