応援団長は赤白共に女の子
6年生だった海舟のお友達、いつも優しくしてくれるお姉さんがカッコよく見えたんだろう
葵咲樹は私に
私も応援団長になりたい
そう言った。
そんな葵咲樹の想いが深いとは知らず
ふふって鼻で笑ったのを覚えている。
去年応援団に立候補して、みんなより遠くから通っているのに毎朝早く練習で登校
もう懲りただろうなぁ
って思った今年
葵咲樹が私に今年も応援団やろうと思うんだ。
そう言った。
まさか応援団長なんてやらないよね?
って聞くとニヤッて笑った。
翌日学校から帰って来ると
葵咲樹は応援団になった事とみんなから応援団長に推薦された事、だけど応援団長になりたかったけど、やりたい男の子がいて譲った事を話した。
なんだろう
私は葵咲樹に言いたくなった
ホントにそれでいいのかな?
葵咲樹ちゃんのやりたかった気持ちってその程度なんだ。
それじゃあ、この先誰かと競う事になったら、
いつでも譲るんだ?
そっか…
葵咲樹の想いはその程度だったのかな…
母なりに何かを感じそれ以上何も言わなかった。
翌日、葵咲樹は学校から帰って来ると
すぐに私に
やっぱり応援団長になってきた‼️
そんな葵咲樹の顔を見て私も笑った。
朝早く一人で登校
弱音も言わずとにかくみんなで勝ちたい、
いい運動会にしたい。
葵咲樹の想いは見ていて伝わった。
週末に予定があって天候もイマイチ
ドキドキしたけど予定通り運動会は行われた。
頼りなかった葵咲樹がみんなに支えられ
誰よりもみんなを考え纏めてる。
選手宣誓
こんなに大きな声が出るんだ
こんなにお姉さんになったんだ
胸がいっぱいになったけど
なんだろう涙が溢れてきた。
6年生の大活躍で葵咲樹のチーム逆転優勝
葵咲樹の最高笑顔に
なんとも言えない気持ちになった
3年越しの想い
自分で決めた事をやり遂げる事は
これから先もたくさんあるけど
あなたならきっとできると思う。
そして私はいつでもあなたを
応援してるから
これからも頑張ってね。
葵咲樹、ありがとう。