だいぶ前にアメリカでの人工妊娠中絶が最高裁判断によって違憲判断を見直された件と、「ハンズメイズ・テイル」の話を書いた気がする。
それはともかくとしても、男性には理解し辛くてトランス女性には理解し得ないだろうこの複雑な問題は、今回の大統領選で争点するのをトランプ前大統領は避けている様子ではある。
まあどー考えたって荒れる話題は、今回の様に表沙汰にせずにいつの間にか書き換えてしまうに限る。
原作もドラマも評価が高いが、日本では事実上日テレオンデマンドのHuluがメイン配信なのでやや見づらい作品だ。
女性が生殖以外の価値を奪われた世界を描いたこの作品は、アメリカでは名前を出すだけで「ああ、あれね」的な感じで広く知られている様である。
先にも書いた人工妊娠中絶の違憲判断見直しについて、あのスティーブン・キングがSNSでネタにしていた位である。
しんどそうな作品なので正直見る気にはなれないけども、福音派と共和党の政治的癒着を知る為には観なきゃいけないのかなと思う訳である。
トランプ前大統領が銃撃されるちょっと前の政治集会の様子がニュースで出て来た。
トランプとその腹心が筋の通らない偏見と偽情報を並べているいつもの笑うに笑えないイベントで、ある人物が壇上に上がって一際会場のボルテージが上がったシーンがあった。
それはトランプの末子であるバロン・トランプの登壇シーンである。
十八歳の高校を出たばっかりの少年が何を演説する訳ではないけども、出てくるだけでボルテージが上がるってどういう事だろうか。
僕はこのシーンを見て、金正恩に熱狂する北朝鮮の民衆を想起してしまったのである。
アメリカという自由と独立を尊ぶ国で、世襲制の全体主義国家を思い浮かべるのは変な事かもしれない。
でもトランプが強めている共和党内での信奉者重視のムーブは、それこそ全体主義国家のそれである。
それこそスティーブン・キングが「ようこそギレアドへ」がまさに現実になりうるのかもしれない。