淡い日差しが降り注ぐ、ある日の朝-----

(よし。替えるお花は、ここで最後かな)
城内の花瓶に花を活けて回っていた私は、廊下に設けられた飾り棚へと歩み寄った。

「この花瓶も、はですぎないのにとても綺麗・・・・・・これは外国の花瓶? 信長様らしいな」

(高価そうだし、割らないように気をつけないと・・・・・・)

嫌な予感するのは私だけ???

注意して花を活けていくけれど、不安定な花瓶がぐらついてしまう。
(素敵なデザインだけど、やっぱりバランスが・・・・・・!)

「あっ!」

やっぱり…|ω・`)

(割れちゃう・・・・・・!)
その時、背後から伸びてきた手が、花瓶を支えてくれた。

「・・・・・・っ」

秀吉「っと、大丈夫か?」

「秀吉さん!」

秀吉「よし、無事だな」

秀吉さん。。。まるで戦隊もののヒーローみたいに現れる(≧∇≦*)

「ありがとう。助かったよ!」

秀吉「ひとりじゃ大変だろう。こういう時は俺を呼べって、いつも言ってなかったか?」

お優しいのよね。秀吉さん♡

「そうだけど・・・・・・もうこの花瓶で最後だし、他はひとりでできたから・・・・・・」

秀吉「でも、今倒しそうになってたよなー?」

「う・・・・・・はい、その通りです」

秀吉「これで最後か・・・・・・それなら、ほら、支えててやるから」

「え? っ、わ・・・・・・!」

秀吉さんは、私を胸の中に抱き込むようにして、両手で花瓶を支えた。背中に感じる秀吉さんの温もりに、ドキドキと胸が高鳴っていく。
(甘い香の匂いに混じって、煙草の香りがする。秀吉さんは、ひとりの時しか煙草を吸わないから、これは・・・ほとんどの人が知らない、秀吉さんの匂い------)

「・・・・・・あ、ありがとう」

秀吉「・・・・・・早くしないと人が来るぞ?」

「う、うん」

慌てて手を動かし始めると、秀吉さんは私の髪に頬を擦り寄せた。
(わっ・・・・・・)

秀吉「赤くなって、かーわいいなー?」

「だ、誰のせいだと・・・・・・!」

秀吉「ん、俺だな。嬉しい」

「っ、もう。意地悪!」

人が来ないことを祈りながら活けていると、つい焦ってしまって、花の棘が指に刺さってしまった。

「痛、っ!」

秀吉「ゆう・・・・・・! 棘が刺さったのか?」

「うん、小さいのが刺さってるみたい」

秀吉「・・・・・・っ」

秀吉さんは私は解放すると、すぐに女中さんを呼ぶ。

秀吉「ここを頼んだ」

「えっ。あ、あの・・・・・・」

女中「かしこまりました」

女中さんに、入れ替えた古い花の片づけを頼んだ秀吉さんは、私の手を引いて歩き出した。

秀吉「もう少し意地悪したかったが、手当が最優先だ」

「手当てって・・・・・・そんな大袈裟なものじゃないよ?」




秀吉「だーめーだ」

しっかりと繋がれた手の温もりに、胸の奥が甘く疼いていった。

----------

その日の夜------

秀吉「指は大丈夫か?」

「うん。すぐに残ってた棘も抜いて貰ったから、ほとんど治ってるよ」

朝も今も、過保護なまでに気にかけてくれる秀吉さんの姿が愛おしくて、思わずふふっと笑みがこぼれる。

秀吉「どうした?」

「だって、小さな棘だったのに、凄く心配してくれるから。本当に、秀吉さんは優しいなって思って・・・・・・」

秀吉「・・・・・・」

(あれ?どうしたんだろう)

「秀吉さん?」

秀吉「あー・・・・・・いや、やっぱり笑った顔が好きだと思ってな」

「え・・・・・・?」

秀吉「赤くなって慌てるのも可愛いくて、つい意地悪なこともしたくなるけど、やっぱり俺には向いてない・・・・・・というか、無理だな------お前の笑顔が、一番好きだから」

少しだけ痛みが残る指先に、そっとキスをして秀吉さんが笑う。
(意地悪したくても、秀吉さんはつい優しくしちゃうんだ。秀吉さんらしいな)

秀吉「ただし・・・・・・」

「・・・・・・っ!」

そのまま指先を軽く吸われて、一気に顔中が熱を持つ。

「ひ、でよし、さ・・・っ」

秀吉「その赤い顔も、もちろん好きだけどな?もっと見せてくれ、ゆう」

(優しいけど、こういう時は十分意地悪だよ・・・・・・)
ゆっくりと布団に押し倒されて、ドクドクと鼓動が高鳴っていく。熱い指が、壊れ物に触れるように、私の肌をなぞっていって・・・・・・優しくて意地悪な秀吉さんに、一晩中、甘く翻弄されたのだった------・・・