「よく考えたら・・・・・・今までだってそうだったんです。私はずっと前から、信長様に心を縛られていました」

信長「愛らしいことを言う。だが、まだまだ足りんだろう」

「え?」

信長「貴様を喜ばせるためならば、この程度の束縛では生ぬるい」

(っ・・・・・・これ以上の束縛は絶対心臓に悪いはず・・・・・・!)

「だ、大丈夫です!」

私が慌ててにげようとすると、信長様はふっと口の端を上げた。

信長「冗談だ」

(よ、よかった)
ほっと胸をなで下ろしていると、信長様の手が私の頬を包む。

「・・・・・・っ」

大きな手のぬくもりに、胸が疼いた。

信長「それで・・・・・・束縛された感想はどうだった」

「感想、ですか?」

(そうだ・・・・・・)


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「姫とおふたりで歩いている姿に、少し嫉妬してしまいました」

信長「ほう」

「・・・・・・できることなら、信長様を束縛したいし、私も束縛されたいって思ってしまって・・・・・・」

信長「束縛、か」

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(束縛されたいって、私が言い出したんだった)
思い出すと、頬が熱くなる。

信長「どうした。聞かせろ」

「ええっと・・・・・・すごく、嬉しかったです・・・・・・信長様が本気を出したらすごいとわかりました・・・・・・」

照れ隠しでわずかに俯くと、信長様が私の頭をくしゃりと撫でた。

信長「そのような貴様の顔が見られただけでも、やってみた甲斐があったな」

「信長様・・・・・・」

(信長様は、いつも私を喜ばせようとしてくださってるんだ・・・・・・)
あたたかな気持ちが、心の奥までいっぱいに広がっていく。

信長「貴様の想いは十分伝わった」

柔らかな眼差しでそう告げて、信長様は私を抱き寄せた。

信長「束縛したいと思うのは、貴様だけではないと覚えておけ」

(えっ・・・・・・)

「信長様も、束縛したいって思うんですか?」

驚いて聞き返すと、信長様は、私の首元を指先でなぞった。

信長「貴様の自由を奪う気はない。だが・・・束縛とは、強く相手を思えば、おのずとそうなるものだと気付いた」

信長様の熱をはらんだ瞳から、目が離せなくなる。

信長「貴様に強く想われることは心地が良い」

「信長様・・・・・・」

落ち着きなく騒ぐ鼓動を感じていると、ちゅっと触れ合わせるだけのキスをされて、顔中が火照った。

信長「縛りあわずとも、互いに想う気持ちがあれば繋がれているのも同然だ」

「信長様、私・・・・・・信長様がつけてくださったこの赤い印が、消えていくのが少し切なかったんです。でも、これが消えても、もう平気だって思えます」

信長「そうか。ならば良し」

瞳に柔らかい光を湛(たた)えながら微笑んだ信長様が、そっと私の手を握る。
(あ・・・・・・)

そして、手の甲に優しいキスを落とした。

信長「では・・・・・・このまま貴様を愛でさせろ」

「・・・・・・っ」

私の髪に、信長様が指を絡める。優しく髪を梳かれて、肌が甘く痺れていった。
(どうしたんだろう。今日は特別に優しいみたい・・・・・・)

信長様は、いつも充分甘々よ〜❗️


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信長「俺のことだけをかんがえられるように、貴様の心ごと縛る。まずは・・・・・・貴様が誰のものであるか、その身に刻んでやろう」

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信長「貴様は俺のものだ。この痕を見るたび、俺のことだけを考えろ」

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(あんなに束縛してたのに)
溶けだしそうな幸せに包まれていると・・・・・・

信長「だが、せっかくだ。今宵までは俺に縛られていろ」

「え・・・・・・?」

信長「この部屋からは一歩も出してやらん」

(わ・・・・・・いつもの信長様だ)

「っ、はい・・・・・・」

灯篭にてらされた信長様の顔が、ゆっくりと近づいてきて・・・・・・触れるだけの口づけが落ちた。

信長「束縛するつもりはなくとも、貴様のことは朝まで離せそうにないな」

「っ・・・・・・私も、離れたくないです」

私たちは微笑み合い、ふたりで晩酌を楽しんだ------

なんかいいな、こういうの。。。

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それから数日後------

(やっぱり普段の信長様は、束縛なんてしないんだな)
軍議に呼ばれた私は、いつも通り広間の末席に座り、上座にいる信長様を見つめていた。

(いつもの信長様も大好きだけど・・・・・・信長様の独占欲が見られたのは、少し嬉しかったな)

ふふっと人知れず笑みをもらしていると・・・・・・

政宗「ゆう。今日はついてないんだな」

政宗は以前と同じように、とんとんと自分の首筋を指差し、茶化すような笑みを浮かべた。

「えっ・・・・・・」

答えに困っている私に気付いたようで、上座から信長様がふっと笑みをこぼした。

信長「そんなものがなくとも、こやつのすべては俺のものだからな」

「・・・・・・っ」

(そんな堂々と・・・・・・)

政宗「へえ? 信長様にあそこまで言わせるとはたいした女だ」

(もう・・・・・・)
じわじわと頬が熱くなるけれど、それ以上に嬉しい気持ちが広がる。

(やっぱり、私は信長様に心を縛られてるな)
みんなに微笑まれて、幸せな心地に包まれる。つられるように私も笑みをこぼした------