それは私の目の前で突然起こった。俗に言う夫婦喧嘩である。私は中学2年生だった。

 

 

 

 

 

 

 

母親を殴ろうとして立ち上がった父親を、兄が止めた。

 

 

 

 

 

兄が父親を抑えている隙に母親は逃げた!私は母親が逃げたのを黙って見ていた、、。

 

 

私は動けなかった。目の前で豹変した父親を見て、怖かったのだ。私は父親を殺そうかと思った。私は目の前が真っ暗になった。

 

 

 

父親が落ち着いた後で、兄は母親を追って家を出て行った。

 

 

 

 

私は一人その場に立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くして兄は戻って来ると私に言った。

 

 

「母さん、いなかったな、、、」

 

 

 

私はこの日の夜に、母親を追いかけて行かなかった事を今でも後悔している。

 

 

 

母親は私が追いかけて来るのを、待っていたかも知れなかった。何も持たないで母親は逃げた。どうやってその夜を過ごしたのかは、今でも分からない。どこで一夜を明かしたのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

心細かったと思う。暗闇の中で独り、母親はいったい何を思ったのだろう?

 

 

 

 

 

 

母親に後で言われたのは「あんた追いかけて来てくれなかったね、、」

 

 

 

 

私は何も言えなかった。

 

 

 

私も兄の後を追って行けばよかったと、後悔している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お母さん、ごめんね。

 

 

 

 

 

 

 

To be continued

 

 

 

 

 

 

注:画像は全てお借りしています。ご了承下さい。