私が小学生の高学年になった頃から、母親は夜も働きに行くようになり、私の独りの時間はますます増えて行った。

 

 

 

 

 

私が学校から戻ると、テーブルの上にはその日の晩ご飯にラップが掛けられて用意されていた。私が独りで食べる晩ご飯だった。

 

 

晩ご飯が無い時もあった。何かの都合でご飯を作る時間が無かったか、面倒臭かったのか、それは分からない。

 

そんな時は決まって外食だった。

 

母親が夜仕事に行く時に、私も一緒に出掛けて二人で喫茶店に入り、母親はコーヒーを、私はチャーハンを食べたりした。

 

 

 

 

 

母親は私を残して仕事に行った。よくある事だった。

 

 

たまに家の近くのラーメン屋に独り置いて行かれる事もあった。それはさすがに寂しかった。小学生が独りでラーメン屋でラーメンを食べる姿は、周りの人からどんな風に見えたのだろうか?お店の人はどう思っていたのか?知る由もない、、。

 

 

 

 

外食はそれでも楽しかった。ちょっと大人になった様な気がして、そんなに嫌では無かった。家で独り、出来合いの弁当を独り寂しく食べるのからしたら、喫茶店でゲームをしながら食べるチャーハンはなかなか美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

家で弁当を食べるのは緊張した。それは母親が決まって、「お弁当を食べたら、お父さんに分からない様に、隠して捨てるんだよ。お父さん、怒るからね!」と母親が言うから、私は緊張して、その緊張感の中で食べるのが嫌だったのだ。

 

 

私はほとんどいつも独りでご飯を食べていた。家族そろってご飯を食べた経験はほとんど無い。

 

 

今でも人と一緒にご飯を食べたり、外食するのは苦手だ。すっかりトラウマである。

 

 

 

 

ご飯は独りで食べるもの、と脳が勝手にインプットしてしまったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

To be continued

 

 

 

 

 

注:画像は全てお借りしています。ご了承下さい。