10年前の今日。
私は、卵巣がんの手術前の麻酔科S先生から説明を受けるために病院に行きました。
全身麻酔、硬膜外麻酔に関する説明を受けて同意し病院を出ました。
ふと、映画でも観てから帰ろうかと思ったけど寄り道せずに地下鉄に。
14:46 電車の中に居ました。
地下鉄赤坂駅を過ぎて少しのところ急停車したと思ったらグラグラと揺れはじめました。
車掌さんのアナウンスで『 地下鉄は揺れは大きいですが地震に強く丈夫につくられていますので、安心してください。』と。
地下鉄は安全って聞いたことがあります。乗客も静かに座って様子を伺っていました。
揺れが収まると『次の乃木坂まで600メートルありますが、徐行運転で駅まで行きます。急停車に備えてください』と。
乃木坂!? 夫の会社の最寄り駅!何度も行ったことがある乃木坂駅を出て西麻布に向かって歩き出しました。
右手に青山墓地 左手にグランドと公園の道を歩いていると、サイレンが響き「近くの広場などに避難してください」と放送が聞こえます。
すぐに、公園へ行くと大きな木がワサワサと揺れます。
奥のグランドでは地震の最中も若者たちがハイテンションでサッカーしてました。30分程様子を見ていましたが大丈夫みたいです。あらためて主人の会社へ。
途中、Hardy Barracks の外壁にひびが入ったようで歩道が閉鎖されてます。
主人の会社が入るビルに着いたもののエレベーターが動きません。。。
階段も見当たらず。
何度も夫に電話しても繋がらない。
これ以上、ここで待ってても仕方がない。
青山墓地横の道路は仮眠中のタクシーが停まってるエリアなのを思い出して、ひとりで留守番してる愛犬ちゃんが心配だからタクシーで帰ろう!と決めました。
が…仮眠中の運転手さんにアタックしたものの拒否…
また、夫の会社に戻るものの連絡が取れず。
もう一度、タクシーにトライすることに!!
ここでオバちゃんパワー炸裂
座席を倒してるけど目を覚ましてる運転手さんに窓越しに『お願いします!』
最初は『無理だね~』と言ってたけど引き下がらずにお願いしたら『何処まで行くの?』と聞いてくれました。
やった~♪大きな声で『○○です!』
すると『そっかぁ~じゃあ 行くか』
こうしてタクシーに乗車できたのが5時半頃。
渋谷~三軒茶屋~ 車はなかなか進みません。
でも、タクシーの外は大勢の人が列を作って歩いています。
車道をバイクや自転車たまに歩行者も入り混じり、バス停留所には長蛇の列。お年寄りも寒い中バスを待っています。
タクシーに1人で乗ってる私は申し訳ない気持ちになりました。窓を開けて○○方面の方相乗りしましょう!って叫びたくなりました。
でも 出来ません。
乗せてくれた運転手さんに感謝しながら家を目指し9時半に帰宅。
長女の部屋に明かりがついていました。渋谷の会社から先輩とタクシーに乗ったものの動かないので途中下車して3時間かけて歩いて帰ったそうです。
私から家族へ届いたメールは『地下鉄の中です。』だけだったそうで家族には心配を掛けてたようです。
みんなはメールのやり取りが出来たのに何故私だけ?
秋田に住む妹とも、なかなか連絡が取れなくて心配してましたが、mixiで無事を確認したのでした。あの当時、LINEはまだなかったんですね。
10年前の今日。
忘れません。
私にとっても卵巣がんを手術した3月は一生忘れられないのです。
michi