「オートファジー」-2(タンパク質をリサイクルする)
「オートファジーって言葉 聞いたことがありますか?」
「聞いたことがないんですが ファジーは英語で曖昧なでしたっけ?」
「ファジーのスペルが違います これはギリシャ語からきてまして オートは自分
 ファジーは食べるで "自分を食べる"という意味です。
 説明していきますと まず細胞の中には核があります そしてミトコンドリアや
 小胞体などがあります では核の中はどうなっているかというとDNAがあります
 そこにメッセンジャーRNAがやってきて DNAの情報を読み取ります
 そしてメッセンジャーRNAは核の外へ出て行き
 その情報を基にアミノ酸をくっつけ始め ドンドンつながって行きます
 それが大きくなってタンパク質になるという仕組みです
 これはセントラルドグマといって根源的な仕組みです このように細胞の中には
 タンパク質がいっぱいあるわけです それがいろいろなところで働いて
 活動を支えているわけなんですが
 では質問です このタンパク質の原料となるアミノ酸はどこから来るのでしょうか?」
「アミノ酸ですか? 食事から来るんじゃないですか?」
「半分正解です というのは食事から来るアミノ酸だけでは足りないんです」
「ではどうしているんでしょう」
「たりない分を補っているのがオートファジーなんです」
「自分を食べるということですか?」
「そうなんですよ 細胞の中のタンパク質をリサイクルしているんです」
「リサイクル?」
「細胞の中に膜ができるんです それは袋状になっていて そこに分解酵素が供給されて
 中に取り込んだタンパク質を分解してアミノ酸に変えて再利用する
 これがオートファジーなんです」
「なるほど 自分自身の1部を食べる もう用なしの捨てるようなものだから自分が食べる」
「これまではタンパク質の合成のところばかり注目されてきたんですが
 オートファジーによってタンパク質を分解することが生命活動の維持に欠かせないことが
 最近の研究で分かってきたんです」