笑い話のようで、本当のお話 | 新聞屋のおかみさんメモ

新聞屋のおかみさんメモ

岐阜県の小さな田舎町の新聞屋。
小さなできごと、独り言、キッチンメモなどなんでもありです。

若かりし頃はバレーなどスポーツが趣味でしたが、60代半ばの最近はコーラスを楽しんでいます。

ある2組の老夫婦のお話です。


知り合いAさんのお舅さんとお姑さん。

お舅さんは体も弱り施設に入っておられた時期に、Aさんは「おじいさんも家に帰りたいだろうから迎えに行って、2~3日家にいてもらおうか?」とお姑さんに相談したところ、「今が一番幸せだから、つれてこないでほしい。」と言われたそうです。

おばあさんにとって今までの生活が気の休まるものでなかったのでしょう。

おじいさんと離れてやっと自分の生活ができるようになったのです。



そしてもうひとつ・・・


先日痴呆にもなり、病気にもなられたおじいさんがなくなられました。

葬儀のあと、2~3日してお悔やみに言った時のこと。

おばあさんに看病のお話などしていただきましたが、長い期間だったので看病をしている方も限界だったとか。

最後の方はおじいさんも何もしゃべれなくなったそうですが、痛い時には、「痛い!」は言えたそうです。

「痛いが言えるなら、一言ぐらい「ありがとう」といってもいいやろう。」と思わず言えてしまった、とのことです。

そのおじいさんも元気な頃非常にワンマンでしたが、それでも悪くなればおばあさんは一生懸命看病されたのです。

下の世話など大変なことばかりだったのですが、ついに「ありがとう」は聞けずじまいだったそうです。

もしかしたらおじいさんも心のなかでは思っておられたけど、照れくさくてなかなか言う勇気がなかったかもしれません。いえいえそうではなくて、看るのは当たり前のこと、と考えられていたかもしれません。

いずれにしても両方にとって残念なことでした。

元気な頃から「ありがとう」を自然に言えるようにしておくと、みんながしあわせになれますよね。