令呪を与えられた魔術師達は、獲得した聖遺物を媒体としてサーヴァントを召喚した。切嗣はセイバー、時臣はアーチャー、ケイネスはランサー、綺礼はアサシン、それぞれの特殊な力を持った英霊達が現代に蘇った。そして最も若く未熟なウェイバーの目の前にも、自信の手駒として動くサーヴァントライダーが姿を現した。しかし、ライダーはウェイバーの手に負えるような人物ではなかった。シャッターを破り出てきた巨大な肉体と豪快な立ち振る舞いは、まさしく破天荒な豪傑そのもの。



 征服王の異名を持つイスカンダルこそ、ライダーの器を与えられた英霊だった。「盗人」だと文句を言ってきたウェイバーに対して、全てを奪い取る存在だと一喝した。自分の思い通りにならないサーヴァントの登場に大声をあげて納得いかない感情をむき出しにするのだった。しかも、逃げるように立ち去ったのだから、被害者のような顔をするのも無理も無い。そんな時、世界地図ともう1冊ライダーが持っていた古書の存在に気付いた。「おい、坊主!戦に地図は不可欠だ。マケドニアとペルシャはどこだ?」ライダーは本を奪い取ると、かつての領地の場所がどこなのか指し示すように命じた。



 サーヴァントが魔術師に命令するのは、ウェイバーにとっては納得行くはずも無く、当然文句も出るのだが鋭い眼光を向けられたら、既に蛇に睨まれたカエル状態。腰が引けてしまうのも無理も無いが、ライダーはしっかり自分の立場を理解していた。既に契約を結んだサーヴァントであるからこそ、聖杯によって求める物を改めて確認したかったのだ。ウェイバーが指し示した地域の小ささを知り、高笑いをするのだった。(凸凹コンビ誕生ですね。身体の細いウェイバーと豪傑ライダー!全くかみ合わない感じがするのですが、こういうコンビは互いを知る事でどんどん絆が深まっていく。意外といい感じかもしれませんよ。)




 征服王の復活だと思っているライダーだが、ウェイバーが聖杯戦争に参加するのだと改めて言い聞かせようとすると、何を求めるのか尋ねた。「自分の才能を認めなかった人間の考えを改めさせる事だ!」初めて面と向かって強く主張するのだが、ライダーにはみみっちい小さな願望に過ぎず思わずぶん殴った。「己の沽券を示す事だけだと?それでも余のマスターか!聖杯の力で背を30センチ伸ばしてもらえ。」馬鹿にしたような言われ、ウェイバーは怒りをにじませ令呪を使っていう事を聞かせようとした。



 しかし、魔術師がサーヴァントに絶対遵守の令呪の力を使えるの3度のみ。もし使ったらいざという時使えないし、主従関係が結べなくなる。冷静になったウェイバーは、改めてライダーの力が判らなければ信頼関係が築けないからと、力を示して欲しいと哀願した。「安心しろ!余が聖杯を手にしてやる。征服王イスカンダルが、この一打にて覇権を問う!」抜かれた剣を振りかざすと雷鳴が轟き、現れたのは飛蹄雷牛(ゴッド・ブル)に牽かれる戦車神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)だった。その力を見せられたウェイバーは、すっかりライダーとの立場が逆転していた。(こういう人物にはウェイバーは会った事はない。豪傑という人物は、優男とタッグを組んでどう成長するのか?それがZeroでは、魔術師とサーヴァントの関係を描く事に主眼を置いている具体的な一例だと思いました。)




 アインツベルン城では、成長したイリアスフィールと切嗣が、雪の中の森を散策していた。2人の姿は、仲の良い親子そのもの。魔術師殺しの面影は微塵も無く、イリアも後に見せる冷酷な考えを抱くような子どもではなく、素直でおしゃまなお嬢様だった。そんな2人の戯れている様子を複雑な感情を持って見つめているのが、召喚されたアーサー王ことセイバーだった。切嗣とセイバーは殆ど会話を交わしておらず、アイリスフィールが話し相手になっていた。「切嗣は冷酷な人物だと思っていたのだが、あれが素顔なら私は魔術師から不評を買ったのでしょうか?」口も聞いてもらえない事が、自分に不信感を抱かしていると考え思いをアイリに洩らした。(セイバーと切嗣は口も聞いていないのか。これは2人の関係を象徴していますね。全く想像もしていなかったなあ。考え方も一致していると思ったのですけど、やっぱり女性だったという点が引っ掛かったと思いました。)



 話を聞いたアイリは、セイバーが考えている事とは別の理由で怒っているのだという考えを示した。その理由とは、アルトリアという少女が、アーサー・ペンドラゴンとして振舞わなければならないように仕向けた周囲の人物が許せない事。セイバーは干渉し過ぎだと不快感を示すのですが、切嗣は干渉せず言っても聞いてもらえないと諦めているのだとアイリは指摘した。しかし、切嗣の本当の目的は「聖杯による世界の救済」であるとセイバーが口にすると、セイバーもかつての故国ブリテン(イギリス)の救済。互いの願いは同類なのに、考え方の違いによって距離が開いてしまっていた。(セイバーにとってアイリの存在は大きいですね。男として振舞っていたのだが、アルトリアとしての顔を出せるのは彼女だけ。しかも考え方も同様ならば、こちらも素晴らしいパートナーとして活躍出来る。そういう人間的な意思疎通が非常に描かれているのが、Zeroらしいなって思います。)



 6人の魔術師とサーヴァントが現れ、残る魔術師は後1人。その人物は冬月市に存在した。暗いアパートの中、召喚の呪文を唱える練習をする青年雨生龍之介は、テレビで報道されている連続殺人事件の犯人。死の本質を求めるべく殺人を行う殺人鬼である。しかも少年を誘拐し悪魔の存在の有無とそれを召喚できる古書の存在を知らしめ、恐怖する少年を召喚した悪魔によって殺そうと企んでいた。そして、龍之介の手首には令呪が浮かび上がり7人目の魔術師となった。他人の死を望む願望が、聖杯に認められたのだ。(こんな奴が最後の魔術師とは!時臣が言っていましたけど、数合わせにもほどがあるし余りにも酷い。こういう奴こそ切嗣に狩られればいいのです。その為の存在だと思うのですが、登場したサーヴァントもまさに輪をかけたような奴なのですけど、ここまで上手くはまるのは流石Fateって感じがしました。)




 現れたサーヴァントキャスターは、魔術師の素性を確認した後契約の成立を告げ、共に聖杯を手にしようと話を持ちかけるのだが、当の龍之介は聖杯の存在など知る芳も無く、キャスターに少年の抹殺を通じて手を結ぼうと持ちかけて来た。不気味な容姿のキャスターが、少年に近づくと口を塞がれている少年はただじたばたするばかりで抵抗も出来ない。死を恐れるが逃げる事も出来ない絶望的な状況だったが、キャスターは意外にも少年を解放し「さあ坊や、あそこの扉から部屋の外に出られるよ。」逃げるように仕向けた。少年の目には、太陽の光が希望の光だと思い安殿涙が浮かんだ。しかし、これは希望から絶望へ切り替わる瞬間が、真の恐怖を味わうという持論を持つキャスターの罠!はまった少年は無残な姿で殺されてしまった。(希望から絶望への総転移ってQBさんみたいな事言うのですねキャスターさん。アレッと思ったのですが、流石にとんでもない野郎でした。ここまでえげつない殺し方は、中々ないものです。殺人鬼の2人が最凶タッグを結成した。こんな奴らが出てきたのはそれはそれで面白い。)




 キャスターが現界した事は、聖堂協会から綺礼にも伝えられた。これで聖杯戦争の幕が上がり、早速アサシンに対し遠坂邸に向かって、魔術結界を突破して時臣を抹殺するよう命じた。当然、アサシンも2人が同盟関係である事は承知しているのだが、「アーチャーも恐れるに足らない。」と教え、アサシンは遠坂邸の魔術結界を突破して最後の結界に辿り着いた。ここまでは朝飯前の仕事なのだが、アサシンはアーチャーの真名を知らなかった。世界最古の王ギルガメッシュこそがアーチャーなのだと。「地を這う虫けら風情が、誰の許しを得て面を上げるか。貴様は俺を見るに値せぬ。」自尊心の固まりのアーチャーの王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から飛び出す剣によって、アサシンは串刺しにされた。綺礼によってだまし討ちにあったのだ。(何故そういう事をするのか?諜報活動が得意とはいえ、サーヴァントがいなくなったら共闘も何もなくなってしまいますよ。果たしてこの行動の裏には何があるのか?いよいよサーヴァントと魔術師が冬月に舞台を移し、本格的な戦いが始まります。)