マミの死後、恭介の指の回復を願いに魔法少女になったさやかは、街の平和を魔女から守る為に行動を開始した。しかしマミのテリトリーが開いてその座を狙う佐倉杏子は、さやかを潰してでも魔女を倒す役目を担おうとしていた。他人が犠牲になってもグリーフシードから得られる魔力だけを狙っている性格は利己的で好戦的、さやかと反目するのは当然だった。しかし魔法少女は、そういうものだと考えている杏子には勘違いもはなはだしいと考えられていた。
そして使い魔を倒そうとしたさやかの元に杏子が突然現れ、戦いを仕掛けて来た。強い攻撃力を武器にさやかに大ダメージを与えて止めを刺そうとした。まどかは違和感を持ちながら２人の戦いをただ見つめるしか出来ずにいたその時、同じ街に現れた魔法少女ほむらが介入して来た。「私は冷静に戦いをする人の味方で、無駄な戦いをする馬鹿の敵よ。」戦いを仕掛ける杏子に宣戦布告するほむらとの戦いが始まると思ったが、相手の技が見えないと杏子は一時退却を余儀なくされた。
助けてくれたと思い感謝するまどかだが、ほむらの態度は冷酷だった。「関わりを持つべきじゃないって何度忠告させるの！愚か者が相手なら私は手段を選ばない。」忠告を聞かない愚か者とこき下ろした言葉は、まどかに強烈なショックを与えた。注意を促すキュゥべえは、ほむらの狙いに気付き始めていた。更に魔力を使い魔の力に犯されたソウルジェムを吸収して、魔女のふ化を阻止する力を発動させた。「グリーフシードがたくさんあれば、余分な魔法も出し惜しみできる。それが杏子の強みなんだ。」さやかにもグリーフシードを得るように促すキュゥべえの言葉は、他人を犠牲にするやり方が納得出来ないさやかにとって、ジレンマとなり始めた。
しかもマミは、グリーフシードをそれほど所有していなかったのに戦っていた事も、自分とは違う才能の持ち主である事を知る事となり、「杏子は才能がある上にベテランだからね。そしてそんな杏子を凌駕する天才がいるんだよ。それが鹿目まどかだよ。だからどうしても対抗したければ、彼女と契約するようにするから。」まどかと契約するよう促したが、親友を危険な目に合わせるわけにはいかない、さやかは断固拒否した。
ゲームセンターでダンスゲームに興じている杏子、その前にほむらが現れた。反目しているはずの２人だったが、「この街はあなたに預けるわ。美樹さやかには務まらない。彼女の事はなるべく穏便に済ませたい。だからあなたは手を出さないで。」ほむらはさやかを排除して、杏子に街の魔女退治を任せると申し出た。「あたしも聞きたい、あんた何者だ？一体何が狙いなの？」何か裏があるのではと勘ぐる杏子は逆に質問をした。「２週間後この街にワルプリギスの夜が来る。何故わかるかは秘密だけど、とにかくそいつさえ倒せば私はこの街から出て行く。その後はあなたの自由にすれば良い。」アルプリギスの夜と呼ばれる、魔法少女２人がかりならようやく倒せる敵を倒す事が目的だと明かすと、ほむらの考えに同調した杏子が持っていたチョコレートを食べるか勧めた来た。これにより利害が一致した２人の共闘関係が成立した。
同じ頃、まどかとさやかは逃げた使い魔の行方を追おうと戦いの場に戻って来た。しかし既に使い魔は姿を消し手掛かりは無かった。そんな時まどかは、さやかに杏子と話し合いをして互いに分かり合うよう進言した。そうしないとまた喧嘩になって争いになる事を恐れたからだ。「あれが喧嘩に見えたの？あれは正真正銘殺し合いだよ！途中からはお互い本気に終わらせようとしていた。それにあいつは、グリールシード目当てに人間を餌にするような奴だよ。どうやって折り合いを付けろって言うの？」人々を守る正義の戦いをしていると自負するさやかには、杏子の考えなど受け入れられるはずは無い。
「同じ魔法少女なんだよ。探せばきっと仲良くする方法だってあるはず。やり方は違っていても魔女を退治したい気持ちは同じはずでしょ？昨日の娘もそれとほむらちゃんとも。」仲良くして一緒に戦って欲しい。優しいまどかはさやかに仲良くして欲しいと懇願した。それはマミが死んでしまったから尚更その思いが強かった。しかしさやかは、ほむらがグリーフシード目当てにマミを見殺しにしたと勘違いして、同じ穴のムジナだとほむらに対し敵意をむき出しにしていた。「今ならわかるよ、マミさんだけが特別なんだよ。他の魔法少女なんて皆あんなのばかりだ。私は大切な人をを守る為にこの力を手に入れた。魔女より悪い人間がいたらそいつと戦うよ。それが同じ魔法少女であってもね。」大切な人を守る為にどんな奴とも戦う。仲良くして欲しいと願うまどかの気持ちは、さやかには届かなかった。
深夜、母の洵子が１人で酒を飲んでいる所にまどかがやって来た。そしてさやかの現状について客観的に説明をすると、洵子から人生の先輩としての言葉が返って来た。「正しいと思っている事を積み上げてもハッピーエンドにならない。自分が正しいと思って信念を曲げずに意固地になっているとどんどん悪い方向に向かって行く、それはよくあることだよ。」正しいと思っていてもよくない事になる。それはよくあることだと経験から得た言葉は、純粋に正しいと思ったことだけが全てだと思ったまどかには、かなりショックな一言だった。そこでアドバイスとして、正しいと思うことの反対、間違った事をすれば良いと告げる洵子。つまりさやかの場合なら、人々を守る戦いを止めさせて逃げ出させるようにすればいいと言った感じにすれば良いという事になる。
翌日、さやかが恭介の病室を訪れたが、既に退院した後だった。看護士からは、経過が良好だったから退院が前倒しになったと聞かされ、恭介の自宅を訪れた。玄関からは美しいバイオリンの音色が聴こえ、自分の願いで恭介がバイオリニストとして立ち直る事が出来た。そう満足そうな表情を浮かべていると、それを完全に否定する者が現れた。一夜にして犬猿の仲となった杏子だ。「くだらねえ事に奇跡を使いやがって。魔法っていうのはね、徹頭徹尾自分の為だけに使う物なんだよ。なんならあたしが魔法で、あの坊や手足を潰してやろうか。そうすれば身も心もあんたのもんだ。」ここでも自分勝手な発言をするとさやかの怒りが爆発した。
しかし流石の杏子も人目に付き易い場所だったので、場所を変えて戦いを始めようとしていた頃、キュゥべえからまどかにさやかのピンチが伝えられた。友達が危ないと思い急ぐまどかは、２人の戦いを止めさせようと必死だった。「まどか、あんたは関係ないだろ。」今のさやかにはまどかの言葉は届かない。更にはさやかを仕留めるのは自分だとばかりにほむらまで現れ、さやかとの戦いの火蓋が切って落とされようとしたその時、まどかがソウルジェムを奪い道路へ投げ捨てた。戦いを邪魔されて抗議するさやかだが、突然意識を失い倒れてしまった。
ほむらは、何かを感じ慌ててソウルジェムを取り戻そうと瞬間移動し始めた。さやかはまどかに戦いを邪魔されたと抗議するが、突然意識を失い倒れてしまった。「どういう事だよおい？こいつ死んでるじゃねえかよ。」さしもの杏子もさやかが死んでいると知り驚きを隠せない。どういうことなのか説明をキュゥべえに説明を求めたが、返って来た答えは衝撃的だった。「まどか、それはさやかの抜け殻だよ。
僕の役目は、契約した魔法少女の魂を抜き取り、ソウルジェムに変える事。壊れやすい人間の身体で、とても魔女と戦ってくれなんて頼めない。元の身体なんて外付けのハードウェアでしかない。ソウルジェムさえ砕かれない限り君達は無敵だよ。」人間の身体の大切さを省みない言葉は、杏子を激怒させまどかには悲しみしか与えなかった。泣き叫ぶまどかだが、ほむらが取り戻したソウルジェムは、再びさやかの元に戻った。すると何事も無かったかのように、目を覚ますのだった。
考察
ほむらは、何故まどか達の街にやって来たのか理由が判明しました。それはワルプリギスの夜という存在を倒すため。ただそれが何故ＱＢを最初に襲ったのか判らない。魔法少女は多ければ多いほど良いはずなのだが、今回のさやかのソウルジェムが消えそうになった時に必死に取り戻しに行った行動とさやかを消そうとしたり、まどかを絶対に契約させてはならないとばかりに忠告するのがちょっと矛盾があるのかと思った。
そして今回最大の衝撃、魔法少女に契約する事が魂でソウルジェムを練成して、肉体を失っても戦う事が出来る事実。グリーフシードを使ってソウルジェムを浄化する事は、魂の浄化に繋がるという事だと思った。ということは、マミさんは肉体は朽ちたが魔法があればよみがえり再び姿を現すかもしれない可能性がある。ソウルジェムの存在がどこにあるのかがポイントになるが、果たしてどうなるのか？またＱＢの真の目的は何なのか？ほむらの目的を知っているみたいだったし、魔法少女と魔女退治の裏に大きな秘密がありそうです。
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