魔法少女になる事、それはどんな願いも1つ叶える事が出来る代わりに人の目には見えない魔女との戦いに身を投じなければならない。それは命懸けであり、常に死と隣り合わせの状況で戦っている。それを両親を事故で失った巴マミは、キュゥべえに選ばれた中学生鹿目まどかと美樹さやかの目の前で思い知らせる結果となってしまった。魔法少女は正義の為に戦い、待ちのみんなの平和を守る。ずっと続けていたマミが、死を迎えてしまいまだ幼い2人の少女の気持ちは、ずたずたに切り裂かれた。



 そんな様子も慣れているような態度で魔女シャルロッテを討ち果たしたのが、まどかを魔法少女に契約させたくない暁美ほむら。転向して来たのも魔女の卵グリーフシードの魔力を手にする為であり、決して警察や自衛隊のような存在ではなく、あくまでも自分の為に魔女を狩っているのだった。しかも魔法少女の殆どは、ほむらのような少女達が大半を占めており、マミのような正義の味方を体現しているのはレアなのである。



 魔女狩りの為、結界に足を踏み入れていたまどかは、マミの死を目の当たりにした後悲しみに暮れて、翌朝の目玉焼きを見てマミのカラーだった黄色を思い出し泣き出してしまった。しかし母の洵子、父の知久、弟のタツヤの3人は、何故泣いているのかわかるはずもなかった。その理由は魔法少女達が戦っているのは、非現実であり人の目に触れられる事がないから。魔女の口付けを受けなければ。一方さやかは、いつものように幼馴染みで恋する上条恭介の見舞いに病院へと向かった。恭介は「天才バイオリニスト」と言われたが、事故に遭い歩行機能は回復に向かっているが、指が動かない状態となり2度と演奏出来ない身体になってしまった。



 「何で恭介なのよ?あたしの指なんていくら動いていても何の役にも立たないのに。何であたしじゃなくて恭介なの?もしも願い事で恭介の身体が治ったとして、恭介はどう思う?ありがとうって言われてそれだけ?それ以上を望むの?あたしって嫌な娘だ!」才能ある恭介ではなく、何のとりえもない自分がなればよかった。そう思うさやかだが、契約して魔法少女になれば願い事で恭介の身体を回復させることが出来る。恋する男の子のキモチを掴む打算的な自分に嫌気も差していた。



 そして翌朝の登校時には、あくまでも普通にお嬢様な友人志筑仁美と友人のネタでおしゃべりしていた。その様子は一緒にいたまどかには、そんな事を言って笑える気分ではなく、自分の生き方を導いてくれるはずだった大切な人の死をずっとひきずったままだった。「ごめん今は止めよう。また後で。」さやかも悲しみを持っていたが無関係な人間がいるので、キュゥべえを介したテレパシーで意志を伝えた。



 午前中の授業(なんで結婚適齢期と現在完了系が関係あるのか?もっと良い教え方を城代先生)を終え、まどかとさやかは屋上でマミの死に関して話し合いを始めた。「何か違う国に来たみたいだね。学校も仁美ちゃんも全然変わってないはずなのに。」日常は変わっていないが、自分達の周辺は変わっている。それが違う国という表現で、まどかは強烈な違和感を持っている胸中を明かした。「知らないんだよ、マミさんの事、魔女の事、あたし達は知ってて他の人は知らないんだ。とっくの昔に変わっていたんだよ。もっと早く気付くべきだったんだよ。」非日常の世界に足を踏み入れた時点で、違う世界に変わってしまった。魔法少女に関わりそれになる事は、今までの日常との決別を意味しているのだ。



 そして改めてまどかにマミの死を受けて、魔法少女になる意志があるかどうかさやかは尋ねた。「他人の役に立ちたい。」ボランティアのように考えていた魔法少女の実態を知り、まどかはその問いに答える事は出来なかった。それは足を踏み入れたからずるいというのはわかっている。しかしあんな無残な死に方を目の当たりにして、まどかの心はずたずたに切り裂かれ、今までの思いは消し飛び恐怖だけが残った。「ねえキュゥべえ、マミさんの代わりにまた新しい魔法少女が来るの?あの転校生みたいに。」マミの魔法少女としての覚悟と生き様を知り、改めてさやかは今後についてキュゥべえに尋ねた。



 キュゥべえの答えは、新たな魔法少女がグリーフシードを狙ってやって来る。それは正義とかそういうものではなく、利益を求める為、魔女を狩って力を得る為に。しかし非難出来るのは、同じ運命を背負った魔法少女だけだと釘を刺した。「お別れだね、無理強いは出来ない。さよならまどか。」まどかの思いを知り別れの言葉を述べたキュゥベえ、しかしさやかには別れの言葉を言わなかった。さやかの願いが明確になりつつ、彼女は魔法少女になってくれるという確信があり、あえてまどかにだけさよならを伝えた。



 放課後、まどかはマミの住んでいたマンションを訪れた。目の前には時間が止まったように洗っていないコーヒーカップや雑誌が置かれたままだった。そこだけタイムカプセルに入っているかのように。「ごめんなさい、あたし弱い子で。」マミの願いに応えられず魔法少女にもなれず、恐怖に負けた自分の弱さを咎める思いが、マミを失った悲しみと合わさって涙が止まらず、ただ泣き出すだけだった。部屋を後にしてマンションから出ると目の前にはほむらが立っていた。ほむらは、まどかに自分を責める必要はない、非難されたら自分が許さないと慰めの言葉をかけた。



 そして魔法少女に関わるなという忠告を聞き入れたまどかと一緒に歩き始め、今後について話し合い始めた。ほむらは魔法少女として魔女と戦って来た。マミのように魔女に殺される魔法少女達を何人も見てきた。そういう意味ではまどかが言うようにベテランなのだが、悲しみに暮れる暇などないのだ。次に自分が殺されるかもしれないのだから。だからまどかのようにいくら大切な人であっても、死に直面して心が折れるなんて考えられない。しかもマミは、結果以内で死んだので死体が残らず、単なる「行方不明者」として処理される。身よりもなく遠い親戚がいるだけで、誰にも知られないまま忘却のかなたに存在が消えてしまうのは時間の問題だった。



 「酷いよ!皆の為にずっと1人ぼっちで戦ってきたのに誰にも気づかれないで死んでしまうなんて悲しすぎるよ。」心優しいまどかの気持ちは張り裂けそうになり、また涙が溢れ出した。しかしほむらはクールな態度を崩さず、魔法少女になる事の厳しさと孤独さ、自分自身の為に戦う意義を語り、それは人間と感情のないロボットとの会話のようだった。「私が覚えている、マミさんの事を覚えている。ほむらちゃんの事も忘れない、昨日助けてくれた事を。」ほむらの言葉を打ち消すように大きな声で叫ぶまどか。「あなたは優しすぎる!忘れないで、その優しさがもっと大きな悲しみを呼び寄せる事もあるのよ。」優しさが大きな悲しみを招く、ほむらの経験からまどかに更なる忠告をしたのだが、その意味をまどかは理解出来なかった。



 同じ頃さやかは、恭介の見舞いに行った。クラシック音楽に疎かったさやかが、音楽の知識を得たのも恭介がバイオリニストだったから。しかし今の恭介は、自分の夢を打ち砕かれた抜け殻同然の存在となっていた。「さやかは僕をいじめているのか?何で僕に音楽を聴かせるんだ?もう嫌なんだよ、自分が弾けもしない曲をただ聴いているだけなんて。」好きな音楽も気休めにもならず、逆に自分の無力さを思い知らせるだけ。恭介の苛立ちはCDを叩き割る事でしか鬱憤を晴らす事が出来なかった。今の自分の手は何も感じない、医学ではどうしようもない魔法でもない限り。「あるよ!奇跡も、魔法も、あるんだよ。」鼻で笑われそうな事をさやかは、真顔で訴えた。その様子をキュゥべえは、確信しているかのように眺めていた。



 夜になり、ほむらの事を考えながらまどかは夜の街を歩いていると、稽古事をしているはずの仁美を見かけ声をかけると、首筋には魔女の口付けが見えた。魔女に操られた人間は、自殺するか理由のない殺人を犯してしまう。どうしようもないが、仁美を助けようとまどかは夢遊病者のように歩く人達が集まる倉庫へ向かった。絶望感に囚われた人達は、洗剤をバケツに入れて無造作に混ぜようとしている。まどかは洵子からの言い聞かせにより、洗剤は混ぜると危険だと知っており慌てて止めに入り、バケツごと投げ捨てた。



 すると人々は死を阻止したまどかに襲い掛かり、恐怖を感じ別の部屋に逃げ何とか鍵を掛けて危機を脱した。ひとまず逃げられたのだが、魔女の手下達が現れ結界へ引きずりこまれてしまった。そこは人の心をテレビに映し出す世界、映し出されたマミの姿を見て、これは自分に対する罰だと悟ったまどかに手下達が襲い掛かる。絶体絶命のピンチのその時、青い閃光が窮地を救った。そこには姿を変え魔法少女になったさやかがいた。手下達を一蹴すると、持っている剣で魔女を狩り結界から人々を助け出した。



 あっけらかんとするさやか、目の前にはほむらが現れ不機嫌そうな顔をしていた。しかしそんな事をお構いなしに対決姿勢を前面に押し出し、新たな対立の火種になりつつあった。サヤカの願いにより恭介の身体の機能は回復し、マミの代わりに新たな魔法少女が誕生したが、それを面白く思わないが、根城にしようと考えていた佐倉杏子だった。交戦的な杏子は、さやかを潰しそこを乗っ取ろうと考えているのだった。魔法少女と言っても全くタイプが異なる少女達が集まり、魔女という共通の敵に立ち向かうが一筋縄ではいかない。

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