ひたぎとのデートを思い出しながら、暦は鼻歌混じりに自転車をこいでいた。ニヤニヤして何でもかんでも嬉しく楽しいサイクリング中、前方には相変わらず迷っている真宵の姿があった。かに歩きをしながら背後から近づき「八九寺久し振りじゃねえかこの野郎。可愛いなもっと抱きつかせろ。」口げんかしていた相手にセクハラなスキンシップをした。一方抱きつかれたリュックサックの女の子は、指を噛み付いて抵抗。迷い牛が暴れ牛に変わったかのような姿で「ゴーホ、ゴーホ」とロボ超人顔負けの呼吸をしながら突進しようとした。
頭を押さえつけ必死に落ち着かせようとする暦。すると真宵は正気を取り戻し「あっムララギさん」とカミカミなのか？わざとなのか？微妙な呼び方をした。暦は当然わざとだと思ったが、真宵の噛みました→カミマミタ→神はいたという言葉の変遷を経ると、２人は互いに向かい合いお祈りをした。もう２人にはバトルは存在せず、落ち着いた場所に移動して。久し振りに会った暦から近況報告を始めた。（相変わらず言葉のやり取りが面白いですね。例えもロボ超人ってウォーズマンでしょ。視聴者はウォーズマン知らない人いるだろうし、判る人は大笑いです。そしてかみまみたから神はいたへの変遷もウイットに富んで本当に計算されています。）
「学年１位と学年７位に教えてもらって無敵だよ。」受験勉強を２人の秀才翼とひたぎにおしえてもらっている。暦は自信満々な様子で近況を伝えた。「羽川さんは三つ網の人。戦場ヶ原さんは彼女さん。あの２人になら羽川さんの方を選ぶと思いまして。」真宵は２人の事を知っていた。ただ暦がひたぎを選んだ事に疑問を持っていた。「羽川はそういう対象じゃない。僕にとっては恩人なんだよ。羽川だって願い下げだろうし、戦場ヶ原のあの性格を含めて惹かれたんだよ。」ひたぎに惹かれた理由と翼に対する考え方を暦は説明した。「選別種別」と言葉は間違えたが、真宵も色々人は違うと理解して「吸血鬼の忍野忍さんでしたっけ？８歳ぐらいで金髪でゴーグルをしている。定かではないのですが、昨日お見かけしたのです、国道沿いのドーナツ屋さんで。忍野さんが単独行動を許すとは思えなかったので、ご報告しようと待っていたのです。」閑話休題して本題である、忍を単独で見た事を報告した。話を聞いた暦は、最初に言わなかった事に文句を言ったが、ロリコン高校生に抱きつかれたからと切り返す真宵。２人は再会を約束して別れた。
再び目的地へ向かった暦は、駐輪場に自転車を止め歩き出した。ちょうどその時携帯にメールが届いた。差出人は翼。変調が気になり止めた自転車に鍵を開けた暦。「阿良々木君どこにいくの？」後ろから声を掛けたのは恋人のひたぎ。「ちょっと人道支援に！」暦の返答は詳細を答えず人助けと言うのみ。「行って来れば。私が代返してあげるわ。阿良々木君の声色を使うから。私の声を担当する声優さんは優秀なのよ。ひたぎさんなんて美しいんだ。まさに僕の理想の人だよ。愛している。」ひたぎはあっさりＯＫした。しかし自分が声色を変えて代返するというオチが付いていた。「声優？これってアニメなの？思いの外似てねえよ。それにまだ言ってないだろそんな台詞？」予想外の言葉に暦は動揺した。愛の台詞を先に言われたからだ。「まだという事は、これから予定があるのかしら？」「ああそうだよ。」ひたぎは、これから言うのか尋ねた。暦は言う事を肯定して、メール差出人翼がいる公園へ向かった。（まさかの斉藤千和ちゃんの自画自賛発言には笑いました。優秀なのよっていう台詞は最高ですね。確かに上手いし、上手いから仕事が回ってくるという事ですよ。ああ神谷さんもいろいろな役をこなせるから仕事が回ってくるのですよ。ただ判ったのはひたぎは、やっぱりガチで好きなんだなって事かな。）
急いで駆け付けた暦に対し、ちゃんと自転車を駐輪場に止めるよう求めた翼。相変わらず真面目な性格で、学校をサボらせた暦の授業に支障が出ないよう配慮していた。文化祭の準備もひたぎに任せるほどで、真面目な性格の翼が学校を休むのには当然訳があった。「頭痛はしないんだけど、私思い出したんだけど。ゴールデンウィークの事。忘れている事を思い出したって感じかな。猫なんだよね。阿良々木君と一緒に埋めてあげたあの猫。そこは思い出したんだ。」頭痛がして怪異になった翼。それは暦と忍野の力で解決した。ただ記憶が無かった翼が、徐々に当時の記憶を思い出していた事を教えた。「だけど羽川、思い出したってだけじゃないんだろ？」他に相談した理由がある。暦は様子から直感していた。「そうよ！だから阿良々木君には、忍野さんのところまでの道案内を頼んでいいかしら？」怪異に関係がある。翼自身も認識しており、忍野のところまで案内して欲しいと哀願した。「勿論良いけど。その前に２・３質問していいかな？怪異に関しては、忍野に頼りっきりだからな。最終的には丸投げにしたとしても、話の骨子はまとめておかないと。」ある程度状況をまとめた上で、忍野に話をしたい。暦は救ってあげるにせよ自分の力も使いたいと考えた。（ここからが本題ですね。暦は忍野１人に任せるだけじゃなく、ある程度は自分でも頑張る積極性が見える様になりました。これは色々な経験をした結果じゃないかなと思いました。）
早速暦から質問が投げ掛けられた。まずはいつから頭痛が出たか。「１ヶ月ぐらい前。昨日と一昨日は阿良々木君の前でだけど。本屋と学校での頭痛は特に酷かった。でも心配掛けてたくなかったから。」続いてゴールデンウィーク後に猫とのエピソードがあったか。これについては、５月２７日に聴いたラジオ番組のハガキについて。「大熊猫」というペンネームだったから、猫のエピソードだと思われたが、内容もメイドに関する事やそもそも大熊猫＝パンダだから全くの見当違いで、ハガキの内容をフォローした暦は、自分でも馬鹿だと思った。その後もラジオで紹介されたハガキについて、翼は笑いながら説明したが全く関係なかった。脱線したが次の質問は、帽子を脱いで欲しいという要望に変わった。「それは質問じゃないよ！阿良々君怒るよ。」帽子を押さえながら、翼は質問じゃない理由で返答を拒否して、怒りを露にすると脅した。「怒れよ！怒りたければ、怒ればいい。お前との友情よりも恩返しする方がずっと大事だ。」いやな事かもしれない。怒りたければ怒ればいい。恩返ししたい思いが、暦を強く突き動かした。（ラジオのハガキも書いてネタもくだらないネタを考えたり、シャフトのスタッフは本当に細かい。こういう所が個のアニメの面白い所なんです。他とは一線を画しているのが明確なんですよね。翼が帽子を渡さないのは、駿河が腕を見せたくないのと同じなのでしょうか？余り感情を表にしないのに、それだけは絶対駄目って感じで。）
翼は自分は助けた覚えはないが、暦の認識は違っていた。「僕はお前を命の恩人だと思っている。だから今度はお前を助けたいんだ。その結果嫌われても怒られても我慢出来るさ。」命の恩人だから助けたい。それで機嫌を損ねても我慢すると決意を告げた。「我慢する？阿良々木君のくせに生意気だぞ。笑わないでよね。」額を指でこつんとしてから、暦の思いに動かされて翼は帽子と脱いだ。頭には猫耳があり、暦は必死で笑いをこらえた。「わかったよ！ゴールデンウィークの続きだ。それならそれで対処がある。忍野のところに行くぞ。」怪異の問題は解決していなかった。事情を理解してから、暦の運転で翼が後ろに乗って自転車は走り出した。オッパイが背中に当たり興奮しながら。「阿良々木君、いろんな人の面倒見てたんだね。皆女の子だけど。怪異絡みだったんだね。戦場ヶ原さんいきなり病気治るわけないし。始まりはあなたが吸血鬼に襲われたところ。あれから全部始まったんだね。」暦が今まで女の子と関わってきたのが、怪異がらみだと理解した上で、翼は全て春休みの出来事が発端だと思った。（吸血鬼には魅了という特殊能力があるか。確かに今まで暦はそんなことなかったのにいきなりハーレム状態。言われて理解しました。その一方で何でもは知らないわよ。知っていることだけと答えていた翼の様子が変でしたね。自分も怪異に関わっていると認識したからでしょうか？）
２人は忍野の元に到着した。「委員長ちゃんだよね久し振り。阿良々木君１日ぶり。ほほう阿良々木君、君は面倒な事を引き込んでくるな。とりあえず入れよ。」到着早々挨拶をしてから、忍野は翼の異変に気付き中の方に案内した。忍野は珍しく立て込んでいたが、翼の一大事だからと融通を効かせて対応すると粋な計らいをした。「障り猫、怪異のという事なら有名な三大化け猫伝説には触れておくべきだろうね。ああ委員長ちゃんなら知ってるか？」怪異障り猫。三大化け猫伝説に関係する怪異である。翼は知っているだろうと忍野は推測したが、翼は何も言わずに付いてくるだけ。忍野がいつもいる場所に着いた時、時間省略をしようといきなり殴った。「本人に聞こうと思ってね。ほらもう来たよ色ボケ猫のお出ましさ。」気絶する翼ではなく、変身する障り猫に聞こうと忍野は考えた。そして翼の髪の毛が変色して、障り猫が現れた「また会ったな人間。俺のご主人のオッパイに欲情するとは、相変わらずダメダメにゃん。食い殺されたいのかにゃん。」暦に罵詈雑言を浴びせる交戦的な怪異がそこにいた。（今回も最高でした。やっぱりこのアニメは全く違う面白さがあり、シュールさに中にギャグを取り込んでいる。それでいてシリアスな展開もあってご馳走が一杯です。今回障り猫が登場して、今後どうなるのか？１回解決したはずなのに解決していなかった物語が再び動き出します。）
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