朝から全速力で走る美琴は、逃げようとした男子生徒(上条当麻)を追って路地まで追い詰めた。「もう逃がさないわよ。観念しなさい。」制止を無視してレールガンを発射した。何事も無かったかのように立ち去ろうとした美琴の前に飾利と涙子が、物音に気付いて様子を聞いてきた。「いや別に何でもないけど。」路地は大爆発を起こし別世界になっている状況を知られまいと、何とかその場をやり過ごそうとした美琴。自分自身の能力で、めちゃくちゃになった事を必死に隠した。一方朝の騒動を知らない黒子。寮の部屋で気合を入れて化粧をしていた。「今日はアニバーサリー!黒子とお姉さまが同室になってちょうど1ヶ月。今日こそ差し上げますの生まれたままの私を!」1人舞い上がり勝負下着を身に付け、部屋に入ってきた美琴に抱きつこうとした。



 しかしアニバーサリーだと思っているのは黒子だけ。「お邪魔しまーす!」招待された飾利と涙子が顔を出し、儚い夢で幕を閉じた。常盤台中の女子寮は、一般の中学生である2人にはまさにお嬢様の城。憧れの部屋に入れた喜びに溢れ、見るもの全てが新鮮だった。「お姉さま、どうして初春と佐天さんを?」折角のアニバーサリーを祝いたかったのに、何故2人と一緒なのか納得行かない黒子。「たまたま街で会ったのよ。買い物にまで付き合ってもらったし、一度寮をみてみたいって言うから。」黒子の願いは美琴には全く届かず、2人に手伝ってもらいリクエストに答えただけだと言われ、自分の欲望がかなわず面白くない黒子。しかしガサ入れと称し、かなりアダルティーな下着を晒されると「女は女豹になりますのよ。」大人の女を強烈にアピール。「うああ初春の縞模様を見て、日常に帰って来たと思ったわ。」中学生には刺激が強すぎる下着を見て、思わず涙子は飾利のパンツを見て安堵するほど強烈なインパクトがあった。一方下着入れの中には、お子様用キャラクター下着があり「いつもの白井さんに戻りました。」幼い黒子の物だと2人に勘違いされるが、キャラ好きは美琴の専売特許。恥ずかしそうに取り上げると、黒子の下着入れに入れられた事を怒った。(下着はエロイけど黒子は似合わない。だけど深夜だから下着もOKなんですよ。プリキュアと同年齢なのにこの違いは何なのか?強烈なインパクトがありますけど、まあキャラを紹介するにはちょうど良いのかもしれません。)



 険悪なムードになり話題を変えようと、飾利の提案で小学生時代のアルバムを見る事になった。「うああ可愛い!隣の奇麗な人お母さんですか?」入学式に撮影された美琴の写真を見て大興奮の2人。「でもちょっと意外!御坂さんってレベル5で常盤台のエースじゃないですか?子供の頃からエリート街道まっしぐらだと思ってました。」自分たちと同じ普通の小学生時代をすごしている事に親近感を覚える涙子。「あたしだって最初はレベル1だったし、全然普通の子だったんだよ。」最初から凄い能力を持っていなかった。美琴は自分も普通だった事を教えた。すると今度は黒子のアルバムが見たいと飾利がリクエストして来た。「黒子は今を生きる女。過去は振り返りませんの。今この瞬間を見つめていたい。」過去を知られたくない事をエレガントに誤魔化そうとするが、涙子に発見されてしまった。中身は黒子の写真ではなく、愛するお姉さま美琴のオフショットコレクション。「黒子、あんたは確かに今この瞬間を見つめ直す必要があるわね。」また美琴の逆鱗に触れてしまった。「私はどれだけお姉さまの事を・・・・・今日が何の日か覚えてらっしゃらないの?」全然気付いてもらえない事にいじけながらも、黒子は自分の同室になった日から1ヶ月目に当たる今日を覚えているか確かめた。(今日はギャク回ですね。黒子は汚れキャラ扱いなのかと思いたくなる扱いです。記念日って自分都合のいい日だと覚えているけど、相手は全然関係ないですから。本当につらいなってちょっとかわいそうになりました。)



 「あそうか、初春さんと佐天さんに知り合って1週間目の記念日だ。」美琴の答えは、求めているものとは違っていた。しかも記念日は記念日でも、2人と知り合って1週間目の記念日という答えに黒子はずっこけた。「何なんですのこの扱いの差は!黒子はひょっとしていらない娘?」3人でわいわい盛り上がる中、黒子は完全に蚊帳の外。やけになりカンのおしるこをわざと聞こえるように飲み干していた。「うっさいわね何なのあんた!」黒子の態度に邪魔された美琴はマジギレ。「出会って1週間?笑わせないでくださいな。お姉さまと私が運命の赤い糸で結ばれてちょうど1ヶ月目の記念日ですのよ。私達はここで喜びを分かち合い、寝食を共にして来たのです。なのにお姉さまたら・・・・」自分は1ヶ月前に出会い、一緒に生活している仲。それを忘れて他の娘と仲良くする姿を見て、黒子は思わず泣き出した。その様子を見て涙子は、思わず同情して邪魔だなと感じ始めた。「ねえ黒子、あんた偶然とか運命の赤い糸とか言ってるけど、あんたこの部屋に押し掛けて来たわよね?何が喜びも悲しみも分かち合うだあ・・・・・」勝手な事を言うルームメイトを美琴は、きっちりとお仕置きした。全てが黒子の妄想であり幻想だった。



 ちょうどその時黒子宛に宅急便が届いた。中身はパソコン部品と記されていたが、何故か黒子は安堵した表情を見せた。しかし送り主が媚薬を販売する会社だと記されていた。「黒子、何でささやかにお祝いするのに媚薬が必要なのかしら?あんたの変態性質を直すには、相当な荒療治が必要なような。その名の通り真っ黒焦げになりなさい。」哀れ欲望に溺れようとした黒子の計画はあっさりばれ、美琴の逆鱗に触れ強力なレールガンが発射された。「おほほほ私の能力をお忘れになっては困りますわ。こうなったら黒子と戦って下さいまし。」テレポーテーションを使い攻撃をかわした黒子。もうやけになりサシの勝負を申し出た。「寮則第9条、寮内では能力を使ってはならない。いちいち事情を聞いていたら秩序は守れんなあ。」鬼より怖い寮監に見つかってしまい、言い訳した黒子は首を捻られ、泣く子も黙るレベル5も恐怖に慄いた。結局罰として炎天下のプール掃除を言い渡され、文句を言いながらも美琴と黒子はやらざる終えなかった。(レベル4・5を恐怖させる寮監の恐ろしさは、美琴を見れば明らかです。いや秩序がしっかりとしているのだなあと実感しました。第2話は黒子の変態気質とそれに振り回される美琴が、きちんと描かれていて面白いです。)



 しかしプールの長さは50mあり朝からやってもまだ3割しか終わらない。「うふふふこれはラッキーですわ。水辺で汗だくで濡れ濡れのお姉さまとプライベートタイム。昨日の雪辱を果たす、千載一遇のチャンスですのよ。」美琴にはやってられないプール掃除。逆に黒子はチャンス到来とばかりにバッグから水筒を用意して、昨日出来なかったスイートタイム実現を企んだ。「炎天下では水分補給は必要ですのよ。お姉さま特製ジュースはいかがですか?」一番論理的な理由を付けて用意した飲み物を飲ませようとした黒子。「いらない!昨日のパソコン部品入れて入るんじゃないかと思って。」美琴にはやろうとしている事がみえみえ。ピンポイントで指摘された黒子は、冷や汗を出して誤魔化すしかなかった。相変わらずのやり取りをしていると、黒子のクラスメイトで水泳部の生徒2人(湾内絹保・泡浮万彬)が声を掛けてきた。貧乳の美琴は、思わず胸を見て後輩に負けていると肩を落とす。「あのう失礼ですけど御坂様でして?覚えてらっしゃいませんか?私粗暴な殿方に囲まれていた所を御坂様に助けて頂いて。」美琴だと気付き、絹保は助けてもらった事を感謝した。「流石はお姉さま、私の知らない所でも悪者を懲らしめてらっしゃいますのね。」感謝されるお姉さまを見て黒子も鼻高々だった。(後輩はユンユン役の戸松遥ちゃんとマリア役の南條愛乃ちゃんが担当しています。これなんてカナンだよと突っ込みたくなります。これシルクロード饅頭ですがどうぞとか言ってくれたら面白かったのですが、本当に戸松遥ちゃんは沢山出演しますね。)



 しかし黒子はまた自分だけ仲間はずれになっている状況に不安を覚える。「いやいや昨日の今日でナーバスになっているだけですわ。」必死になって打ち消そうとするが、美琴は差し出されたスポーツドリンクを躊躇なく飲んでいた。いつもスルーされる自分、ボコボコにされる自分。弱気になる黒子だが「私にはテレポーテーションがある。だったらお姉さまの役に立つことなどいくらでもありますわ。」自分を否定せずに自信を持ち続けようと考えた。「あのう後でお手伝いさせていただいても宜しいですか?助けてもらったお礼がしたいのです。」絹保から助けてもらった礼としてプール掃除を手伝いたいと申し出があった。「えっいいの?どうもありがとう。本当に助かるわ。」笑顔で申し出を受ける美琴。その姿に黒子はふて腐れて返事もやけくそだった。「私はお側に居る資格がありませんわ。」とうとう大泣きしてしまった。「黒子、1ヶ月前の今日の事覚えてる?あんたが私の部屋に押しかけた夜、寮監に見つかって大目玉くらったでしょう。その次の日食堂の掃除させられたわよね。で、今日までなんだかんだで一緒にやって来た。記念日って言ったら今日なんじゃないかと思って。私達は離れようにも離れられないパートナーなんだからさ。」美琴は必要ないと言われて戸惑ったが、記念日のことをちゃんと考えていた。その上で飾利達に渡す事を伝えたプレゼントを差し出した。Tシャツを受け取った黒子は、感動して大泣き。互いに乾杯して飲み物を飲んだ。(結構いい娘じゃない美琴。黒子が暴走するからキレるけどとっても大切な存在だと思っている。ギャグ話から一気に感動スタイルへ進みました。2人の絆が証明されるいいエピソードだと思います。最後のオチは黒子の自業自得でしたけど、こういうお話は物語には必要だと思いました。)