●妊娠線に対する意識の変化
今から30年ほど前までは、妊娠線があることは「出産経験がある一人前の女性の勲章」として、特に気にする女性はいなかったと言われております。
しかし昨今では妊娠・出産後も美しい女性であり続けたいという美意識の変化から、妊娠線の予防を行う女性が増えてきています。
妊娠線ができる部位や特徴は人によって個人差がありますが、現在でも約50%以上の妊婦さんに妊娠線ができています。
また、経産婦の方(出産の経験がある妊婦さん)になると80%以上の確率で妊娠線ができるといわれています。
つまり、女性が出産を迎えることで妊娠線ができる確率は非常に高いといえます。
妊娠線ができてしまった場合、産後に妊娠線は多少薄くなることはありますが、完全に消えることは絶対にありません。
●妊娠線ができる2つの理由
一番大きな原因と言われているのが皮膚の急激な伸びです。
妊娠中は体重の増加と共に胸やお尻、もちろんお腹も大きくなります。
皮膚の表面は一緒に伸びますが、その下にある真皮や皮下組織の一部であるコラーゲン、弾性線維は急激な伸びについていけずに、そこに断裂が起こり、妊娠線が形成されます。
もうひとつの原因はステロイドホルモンというホルモンの影響です。
妊娠中はホルモンの分泌が増加しますが、このホルモンに肌の弾力を失わせる働きがあります。
皮膚は通常、ターンオーバーという新陳代謝を通して日々生まれ変わっていますが、このホルモンが活性化する影響で、ターンオーバーの働きが抑制され、コラーゲンの生成も抑えられてしまうのです。
ターンオーバーが抑制された肌は次第に弾力を失い、肌そのものが弱くなってしまうため、妊娠中はいつも以上に皮膚組織の断裂が起こりやすくなってしまっているのです。
●妊娠線を予防するには
妊娠線の予防には次の3つを心がけましょう。
①妊娠線クリームを用い、常に保湿を心がける。
②栄養の取れた食事
③体重管理
①妊娠線予防クリームを用い、常に保湿を心がける。
妊娠中は肌コンディションが変わり、乾燥しやすくなる上に、急激な体重増加により皮膚(真皮、皮下組織)が断裂しやすい状態になります。
よって十分な「保湿」をすることで、皮膚が柔軟に伸縮できる状態にすることで、妊娠線の形成を防ぐことができるのです。
特に夜間は乾燥しやすい時間帯なので、お風呂に入って皮膚が柔らかくなった状態にたっぷりの妊娠線ケアクリームを塗って保湿しましょう。
②栄養の取れた食事
偏った食生活でお肌のコンディションが落ち、妊娠線ができてしまう場合もあります。
妊娠期間中はバランスの良い食生活を心がけ、特にお肌の保湿によいと言われる栄養素も積極的に取り入れましょう。
③体重管理
また急激に体重が増加してしまうと、その分お腹も大きくなります。しかし、真皮や皮下脂肪はそのお腹の急激な伸びについていけず、皮膚の弾性繊維が変わり、妊娠線ができてしまいます。体重は緩やかなカーブを描くように増加するのが理想的ですよ。
妊娠5ヶ月頃の安定期に入ったら、体重管理のために、散歩やマタニティヨガなどで適度に体を動かしたり、食事のメニューを工夫して栄養バランスを整えたりして、自分にあった方法を日々実践していきましょう。