BL表現を含みますので、苦手な方はスルーでお願い致しますm(_ _)m
<the view from Changmin>
お昼の時間になって、ヨンジェ君がユノに、合コンのセッティングについて何かいい案はないかと尋ねていた
ヨンジェ君が強引に僕らを参加させようとしているのに、なんでユノに意見を求めるんだと思っていたら、なんといつもこういう時はユノが率先してやっていたと聞いて驚いた
確かにユノはフットワークが軽いから、こういう時は頼りになりそうだ
でもユノはヨンジェ君に決めさせようとしていて、だからなのか、今度は僕にまでいい案がないか訊いてきた
自分も参加するわけだし、都合のいいように決められるチャンスかもしれないと思って、真面目に考えてみた
けれども浮かぶのはありがちなカラオケ
そもそも合コンに行ったことのない僕にそんなことを訊くこと自体が見当違いなんだけれど、ヨンジェ君はそんなこと知らないから仕方ないか・・・
ユノは、真に受けなくていいと言うけれど、自分のためにも、やっぱりカラオケが無難かな
というわけであっさりカラオケに決まった
ユノはヨンジェ君が聞いていないタイミングで
「カラオケなんてダメだよ
暗くて狭いし、危ないじゃん」
なんて変な心配を耳打ちしてきた
一体僕がカラオケの個室で誰に何をされると思っているのだろう?
だって、ユノもいるし、ヨンジェ君もいるし、大体、相手は初対面の女の子なのに
・・・待てよ、僕が危険にさらされるということは、ユノだって同じ状況にあるということだよね?
それは・・・盲点だ・・・
暗くて狭くて音が大きくて声なんて隣の人くらいしか聞こえない・・・
ユノが女の子にベタベタ触られたり、可愛く媚びた声で何か耳打ちされたり、女豹のような微笑みで誘惑されたり
考えただけで心拍数が一気に上がってしまいそうだった
何が何でもユノから離れないし、ユノに密着していよう
改めて決意を固くした
昼休みが終わる頃に、スマホが震えて誰かと思ったらユノからだった
『今日はバイト入れちゃったから、帰りはゆっくりできない
でも、また寝る前に電話できたらしたい』
バイトなら仕方がない
ユノが一所懸命働いてる姿は好きだし
それから電話は・・・したいに決まってる
できたらしたい、じゃなくて、絶対したい
僕は間をあけずにすぐ返信を送った
放課後になって、ヨンジェ君は用事があるからと先に帰って行った
別にヨンジェ君を邪魔者扱いするつもりはないのだけれど、なんとなくホッとして僕はユノの顔を見て微笑んでしまった
今日はバイトがあってゆっくりできないから、ユノと二人きりになりたかった
駅まで歩きながら、僕たちは他愛のない話をして、時々ユノがあははー!と大笑いして楽しく過ごした
ユノの話す声は低くて少しハスキーで、聴いているととても心地良くなる
それで時折、そんな雰囲気とは真逆の陽気な笑い方をするから最初はびっくりした
ふざけているのかと思ったけれど、そうではなくて、それが普通だったのだ
今はそんなユノの笑い声が大好きで、ユノを笑わせられるとなんだか得意な気分になる
ユノは僕の特別
日を追うごとに募る想いに、嬉しくもあり、複雑でもあった
とうとう駅に着いてしまって、本当はこの間みたいにユノと少し名残惜しむ時間が欲しかったんだけれど、バイトがあるからゆっくりできないと言われていたし、我が儘を言いたい気持ちをグッと堪えた
また今夜ねと言って、潔く改札内に入った
何度も振り向いては手を振り、ユノが見えなくなる直前で僕は立ち止まった
ユノは変わらずずっとこちらを見てくれている
気付いてくれるか自信なかったけれど、声には出さずに「好き」と言ってみた
僕の顔をじっと見ていたユノが少し微笑んだように見えたから、気付いてくれたのかもしれない
明日も明後日も会えるというのに、ホームに向かう1歩ごとにユノから離れて行くことがこんなにも寂しいなんて
僕はなんて女々しい男なんだと思った
帰宅して、夕飯の支度をして一人で食べて、食後にソファに座ってぼんやりテレビを見ていた
ひと昔前に人気のあったタレントが温泉宿の紹介をしていて、ふと、ユノが来た時も何か旅番組を見ていたっけ?と思い出した
あぁ、そうだ、路線バスの旅だ
いいなぁ、温泉とか
ユノと旅行してみたいなぁ
おそろいの浴衣を着て、温泉に入って、美味しいものを食べて・・・
そんなことを考えていたら、ユノに会いたくて会いたくてたまらなくなってしまった
時計を見ると、7時を過ぎたところだ
ユノは8時までバイトだから、待ち伏せしてバイト終わりにちょっとでも会えないかな
そう思ったら居ても立ってもいられなくなって、スマホとお財布を掴むとそのまま家を飛び出していた
ユノがバイトをしている本屋に着くと、大きく深呼吸をしてから店内に足を踏み入れた
ここへ来るのは2回目
ユノは集中して仕事をしているようで、店内のお客さんには大して目を向けていないようだった
だからもちろん、僕の存在にも気付いていない
前に来た時と同じ趣味の本のコーナーに立つと、ユノが気付くまで待ってみた
売り場に本を並べているユノがふと顔を上げて、何か考えごとをしている様子で・・・
僕に気付くかな?と思ったら、一気に鼓動が速まって、こめかみでドクンドクン音がするようだ
しばらくして、視線が僕で止まった
ようやく気付いてくれたみたい
と思ったら、ユノが素早く近付いて来て、僕も待ちきれずにユノの方を見て微笑んだ
つい数時間前に別れたばかりなのに、しばらく会っていないような気がしていた
ユノは私服の僕を見て、わざわざまた出直して来てくれたのかと訊いてきた
「・・・うん
ごめんね、ユノ
また寝る前に電話するって話してたのに
やっぱり会いたくなって、来ちゃった」
駅で別れた時からずっと寂しかった、なんてことは言えない
そんなことを言ったら、バイトなんか入れてごめんねって謝りかねないから
押し掛けておきながらも、ユノに余計な気を遣わせるのだけは嫌だった
バイト終わりに少しだけユノと過ごせることになって、閉店まで少し待つことにした
お店の外からユノの動き回る姿を見ながら、そわそわして落ち着かなかった
お店のシャッターが降ろされたら急に辺りが暗くなって、心細く待っていると、バタバタと足音が聞こえてユノが駆け寄ってきてくれた
「チャンミンっ、お待たせっ!!」
暗かったから抱き付いたって良かったのかもしれないけれど、ホッとする方が先でそんなことをする余裕がなかった
ユノは、近くに公園があるからそこに行こうと言って、僕らはそこへ向かった
公園の一角にベンチがあって、ユノが先に腰を下ろす
当然、僕も隣に座るわけだけれど、夜の公園とはいえ住宅街の中だし、あまりピッタリ寄り添うのも怪しまれるかもしれない
だから、腰を下ろした後に少しだけユノに触れる距離まで近付いてみた
何か喋らなくちゃと思って、今日お店に押し掛けてしまったことを謝って、だから夜の電話は我慢すると伝えた
でもユノは、僕が来てくれて凄く嬉しかったって、だから謝らないでって言ってくれた
ユノの眼差しはいつものように真っ直ぐで、それが心からの言葉だと分かる
そして、ずっとこうして一緒にいたいくらいだと言って、僕の手の上からユノの手が重なった
温かくて、大きくて、頼もしくて、愛おしいユノの手
この手で僕をずっと掴まえていて欲しい
僕も絶対にユノの手を離したりしない
あの時みたいに、僕の髪に触れて、頬に触れて、唇に触れて
それから・・・・
「もっと・・・
もっと、僕に触れて欲しい」
気付いたら言葉が口をついて出ていた
ユノは一瞬びっくりした顔をして、それから
「え、チャンミン・・・
それってどういうこと?」
暗がりでも、公園の明かりに照らされてユノの顔が赤いのがよく見える
戸惑っているような表情から、今の僕の発言に何かを想像しているのだと気付いた
もしかして・・・
なんか、凄く大胆なこと言っちゃった?
まだ僕の部屋でファーストキスをしたばかりなのに、屋外で、なんて
いくら男らしいユノだって、そこまでワイルドにはなれないよね・・・
ていうか、僕だって本気で何かして欲しいって意味じゃなかったんだけれど
いや・・・もしここでユノが行動に移してくれるのなら、あえて止めはしないし
むしろ、もっと暗い植え込みの辺りに連れて行ってもらっても構わないし
・・・・なんて、ただのヘンタイじゃないか
ユノが誤解しているようだったので、慌てて僕はその誤解を解いた
やっぱり僕はユノに勘違いさせるような行動や発言が多いみたいだ
「もう5分経ったから、そろそろ帰らないと
ユノ、いつまで座ってるの?」
帰るつもりでベンチから立ち上がったのに、ユノが相変わらず座ったままだから声を掛けた
ユノは少し前屈みの姿勢で両膝に肘をついて手を組んでいる
僕は遅くなっても構わないけれど、ユノには待っている家族がいるから、これ以上遅くなれない
「ユノ?」
「・・・ごめん、チャンミン
俺、さっきのチャンミンのセリフについ・・・
ちょっと反応しちゃって・・・立てない」
反応しちゃって立てない?
反応しちゃって・・・
アレがタッちゃって、立ち上がれないってこと?
・・・・・
ユノ、可愛い~~~~~~~
そんな可愛いユノの姿に僕も少し反応してしまったけれど、黙っておいた
だって、そんなこと言ったらますますユノは歩けなくなっちゃうから
どうにか駅まで辿り着くと、ユノは通常に戻ったようでいつもの笑顔になった
やっぱり後ろ髪引かれる思いだけれど、今回は振り返ることなくすぐに電車に乗った
電車に揺られながら、もうすぐ合コンなんだと思い出した
待ち合わせ場所は現地なのか、こっちの駅なのか・・・
この電車に乗るんだよな・・・
行きは良い良い、帰りはどうなっているのか
ユノが上の空とかだったら、もう翌週から学校に行けないかも
あ、その前に、僕のうちには行かないなんて言い出すかもしれない
合コンの前に、何か手を打つ必要があるかもしれない・・・
僕の中である考えが閃いていた
もちろん、ユノには内緒にしておくけれど・・・
※画像お借りしました※
↓ランキングに参加しています。よろしければポチお願い致します!
