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TOKIOの城島くんも愛読してる日本農業新聞(4/25)今よみコラム書きました。

農泊とマルシェ

今年からはじまった日本農業遺産 に関連した農泊 と、

先日設立された マルシェマーケット研究所 の共通点を発見しました。

 

農の価値(例えば農産物)が産地から都市側に移るとき、実はもっともおもしろく感動のある瞬間なんじゃないか。

それをわたしたちは業者に委ね過ぎてきたのではないか。もっとも”おいしい”部分を。

 

農作物はデータではありません。

メールに添付することはできない。

Amazonに宅配してもらうことは…できても、それは物質の移動でしかありません。

そこに付随するいちばん大事な”物語”が鮮度と一緒に途中の道ばたに振り落とされてしまった野菜製品でしかない。

そんなことを書きました。

 

日本農業新聞「今よみ」2017/4/24

農泊とマルシェの共通点

都市のライフスタイルに農を

農が都市に提供できるもの 

  「日本農業遺産」の認定が今年から始まり、第1回の授与式が農水省でありました。地域の持続的な農耕システムを観光資源として農村を盛り上げようと、8地域が認定されました。

 そのうち、傾斜地農耕システムが評価された徳島県にし阿波地域は、その幻想的な景観が桃源郷のようだとSNSで評判を呼び、既に大勢のインバウンドが押し寄せています。旅のトレンドは、地域の生活や文化です。土に根ざす人々の暮らしにこそ「日本」があると、山あいの「秘境」に世界が注目しているのです。国では、「農泊」を農山漁村の所得向上の重要な柱として、2020年度までに農泊地域500ヶ所を掲げています。

 

 ところで、同じ日に都内では、「マルシェ・マーケット研究所」の設立発表会が開かれました。2009年から港区赤坂のアークヒルズでマルシェを開催する森ビル、運営会社のアグリイノベーションデザイン、研究者が主体となり、首都圏のマルシェを、都市住民のライフスタイルとして定着させようというものです。

 

 興味深かったのは、マルシェができた地域の住民が、まちを「自分ゴト化」するようになったという指摘でした。マルシェを持つことで、「シビックプライド」(まちに対する誇りや愛着)が芽生え、まちをつくるのは自分たちだと自覚し、街が変わるというのです。

 与えられる一方でどこか主体性を欠いていた都会の消費者が、マルシェで生産者と出会い、会話し、仲良くなることで当事者意識を持つ。産地と都市の理想の関係は、互いが友達のようにリスペクトし、相手の存在を喜び合い、応援し合う「友産友消」ではないでしょうか。

 

 「農泊」と「マルシェ」には、大きな共通点があります。

「生産者と消費者が直接つながる」という点です。農産物はデータではありません。会話から、笑顔が生まれ、発見や感謝が生まれます。お金との交換だけではない、有機的なつながりです。

 

 もしかしたら私たちは、農にまつわるこのもっともおもしろく、楽しく、感動的な部分を、第三者(業者)に任せ過ぎたのではないでしょうか。すべてを相対にしようというのではありません。週末にはマルシェへ野菜や卵を買いに行く。連休には都会を離れ、田舎へ行って農泊をする。そんなライフスタイルが増えれば、農業・農村は都市に食べものだけでなく、心の豊かさや安らぎをも与える存在になるはずです。

 

 

 

ベジアナ・マルシェアナ・小谷あゆみ