沢市東山にある古本屋

山猫堂。

山猫堂店主は、自分らしく

テレビに映りたいと言って、

頭巾をかぶり、

首から牛の骸骨をぶら下げて

出演した。

放送した・・・。ニュース番組で。

この人の変人ぶりは、この程度の扮装には・・・留まらない。


山猫さんはゴハン粒が食べられない。

幼少時、めったに料理をしなかった母親(画家)が

珍しく作ったカレーライスを食べて以来、カレーも、ゴハンも

食べられなくなったそうだ。

そのカレーライスには黄色い絵の具が入っていた・・・。


現在、食事は妻と2人で、1つのパンを半分ずつ食べるのだと言う。

パンもキライなワケではない。

毎食一人一個のパンを食べるほど、古本は売れないからだ。


こたつでだらんと話を聞いていると、

日本一回転率の悪い古本屋。

男は自分の店をそう呼んだ。

「日本一」である。


この店主のフシギな魅力は、
高貴とさえ呼べる雰囲気が漂っていることであった。

「品がある」と「裕福である」は比例しないんだな~と思った。

数ヶ月後、再び「山猫堂」を訪ねると、看板が

「山○堂」(やままるどう)になっていた。

陰の店主と称されていた「猫」ちゃんがどっか行っちゃったそうである。

「山○堂」は金沢市東山2丁目 の坂の上にあります。
(但し上記は2002年の情報です。)