ウンスの声を聞きつけ、またあの体の大きな男がやって来た
如何した? 何事だ
慌てた風で尋ねるこの男にウンスも慌てて
違うの、何でもないの
和尚様にねだって、この木の果実を頂いたんだけど、私の国の果実に似てるから甘いと思って食べたら、とっても酸っぱくて、驚いただけなの
顔の前で両手を振り、何でもないと言うが男は心配そうにウンスを見つめる
この目、あの人に似てる
顔も声も雰囲気も全然違うのに…この目で見つめられると、ドキドキする
不意に男に手を掴まれ、焦るウンス
何をするの 、離して
男は何も言わず、ウンスを見ると歩き始める
ちょっと何処へ連れていく気よ 離して、離しなさいったら
ウンスは、引き摺られるようにして男に連れられていくが、寺に居るものは誰も助けようとは、しない
何で … ウンスは不安になる
寺を出ると男は口を開いた
甘い蜜柑が食べたいのか?ちと遠いが夕方までには帰れる行くか?
え?甘い蜜柑もあるの?
だったら、何故あの場で言わないのよ
むくれて、ウンスが言うと
俺が無理矢理、連れていったのだから、誰も引き留めぬであろう
どうだ、行くか?
ウンスは………