トモヨン島 3年2ヵ月(1)のつづき
A1地区は、地盤高が高いが、土壌が大変柔らかいため、倒されてしまうマングローブも多い。
支柱根が出ているマングローブは枝葉も茂っているため、波の影響を受けやすいのだろう。
倒されているマングローブの多くが、こんな風に支柱根まで出した個体だから、大変残念である。
倒れている個体を立て直そうにも、土壌が柔らかすぎるから、根元の地面を固めることが難しい。
無理やり立て直したとしても土壌が柔らかすぎるため、また再度倒れてしまう危険性が高い。
また埋め込んだ時に地中根や支柱根が傷つくことも心配だ。
トモヨン島では、海草等の絡まりはあまりないみたいだが、この土壌の柔らかすぎるところが問題点だ。
下の写真は、A3地区の様子。
A1地区よりは、少し成長が劣る感はあるけど、十分順調に成長している。
広範囲に連なって成長していて、
この経過観察から、トモヨン島には、オオバヒルギが適応できる!と感じた。
次の写真は、A7地区の様子。
2009年12月~2010年1月にかけてトモヨン島A干潟を東西に横断するように植林したオオバヒルギの様子。
2009年12月に4,500本、2010年1月に750本の、計5,250本が植林していて、現在、植林後9~10ヵ月。
節数は、第3~5節で、葉の数は2~6枚。
枯死しているマングローブも多く、活着率は40~50%程度だ。
このエリアに植林したオオバヒルギは、種は未成熟なものが多かったため、活着率に影響を与えているようだ。
種にも季節がある。
種がいっせいに出来る時期と、バラバラと少しづつしかできない時期とある。
バラバラと出来る時期には、種集めも大変なものだ。
しかし、この成長の問題は使った種にあるようだから、
ちゃんと成熟したオオバヒルギの種を使って植林した時には、
現在よりも活着率が良くなるんじゃないかと思っている。
A7地区は東に行くにつれ、活着率が良くなっている。
東に行くにつれて、活着率が良くなっている。
見た目にはわからない程度に地盤高が高くなっているのだろうか。
それとも、A7東部の北側・南側にそれぞれ植林したマングローブがあるから、
それによって波の影響を受けにくいのだろうか。
どちらかの理由が考えられる。
下の写真は、A2地区の様子。
A2地区の北側にあるA7地区から見た様子。
A2地区では、以前フジツボの被害が大きく、活着率・残存率共に徐々に落ちてきているが、
現在残っているマングローブに関しては、フジツボの付着も少なくなってきている。
現在残っているマングローブに関しては、この先も残っていける可能性が高いと思う。
次の写真は、A4地区の様子。
2007年8にオオバヒルギを約50本植林し、現在、植林後3年2ヶ月。
背丈は200センチほどで停滞している。
この1年ほどはほとんど背丈が伸びたようには感じられない。
支柱根・枝葉を伸ばしている段階のようだ。
また、2010年5月の視察の時に、このオオバヒルギに蕾がついていた。
今回は蕾も花も種子もみられなかった。
おそらく花が咲いても交配できずに散ってしまったのだろう。
先日APS(シドアルジョ水産専門学校)のエビ養殖場実習地現場責任者のバンバンさんが話していたが、
大抵最初の花は未熟で交配できずに終わると言っていた。
3回目くらいになるとようやく交配が出来るようになってくるそうだ。
次の写真は、干潟Aの中心部にある自然構成のヒルギダマシの周辺から東側にかけての様子。
A7と同時期に植林したオオバヒルギで、現在9~10ヵ月。
植林の間隔が不規則で活着率をはかる事が出来ないが、おそらく30%~40%程度だろう。
トモヨン島 3年2ヵ月(3)へつづく
Ayo menanam bakau!!