現場C スポット4
2010年5月にオオバヒルギ100本を植林。
現在植林後、5ヵ月。
残存本数は73本(残存率73%)、活着本数49本(活着率49%)。
節数は、第3~4節、葉っぱは2~4枚程度。
スポット4でもフジツボの付着はほとんどない。
きれいな状態だ。
フジツボが付着していないことは、いいことだ。
現場C スポット5
2010年5月にオオバヒルギ100本を植林。
現在、植林後5ヵ月。
残存本数91本(残存率91%)、活着本数73本(残存率73%)。
節数は第3節、葉っぱは2~4枚である。
現場C スポット6
2010年1~2月にオオバヒルギを100本植林。
現在、植林後8~9ヵ月。
残存本数91本(残存率91%)、活着本数65本(活着率65%)。
節数は第8節程度、葉っぱは2~14枚。
葉っぱが多く付いているものもあれば、2枚しか付いていないものも・・・。
スポット6では、同時期に植林したマングローブの中で、個体による差が大きく表れていた。
上の写真の赤丸で囲んだ個体は、他の個体に比べて、成長が飛びぬけているものだ。
背丈のみでなく、節数や葉っぱの数、葉っぱの大きさ全てにおいて飛びぬけている。
下の写真は、飛びぬけて成長している個体の様子。
小さな枝を伸ばし始めている。
このスポット6は、スポット1、スポット3と同時期に植林したものだが、
この様に1つのスポットの中で、飛びぬけて成長しているスポットは他にない。
また、どのスポットのマングローブよりも成長している。
おそらく、この場所により適応できたマングローブが、このな風に早く成長できるのだろう。
2010年3月の視察時にも、スポット1、3、6の視察を行った。
その際に残存率・活着率のデータと今回のデータを比較したい。
*単位は(%)、2010年3月の視察時の残存本数の計測データはなし。
前回の視察では、海側に使い部分の活着率が悪くなるだろうという予測をたてていた。
しかし、前回の活着率の数字を見る限りは、予想とは違っていた。
今までの経験上そんなはずはないだろうと思い、その時は結論を出さずに、
もう一回視察の結果を見ることにしていた。
そして今日である。
今回は、その結果が見事に予想通りの結果となっていた。
同じ干潟の中でも、海に近い方が波の影響を受けやすく植林したマングローブの種が流され易い。
加えて、地盤高も低くなっているため浸水時間が長くなる。
浸水時間が長くなるとマングローブが成長していく為の呼吸や光合成が妨げられるため、
条件的には少し厳しくなる。
前回の2010年3月の視察時は、まだ植林後1~2ヵ月で、
まだ試験植林の結果が見るには早すぎる時期だったのだろう。
結論は急ぎ過ぎずに、ゆっくり見なければならない。
スポット1、スポット3共に7ヵ月前の視察時に比べて、活着率がガタッと落ちているものの、
スポット6の陸に最も近い部分では、活着率は10%減少しただけで、65%の活着率をキープしている。
これらの結果から、やはり陸に近い部分では、活着率が高くなる事が確認できた。
陸に近いほど地盤高が高くなり、浸水時間も短くなるからだ。
現場B
上陸せず、舟の上からの視察。
現場Bは土壌が大変柔らかく、膝の上まで埋まってしまうことがたびたびある。
ここを歩くのは、重労働だ。
その上、現場Bは奥行きがあるため、歩く距離も長くなる。
一緒に来ていたダップル・アナムの村長ハサンさんから今の時間は潮が引いたばかりで、
いつもより更に土壌が柔らかくなっているから、上陸はやめておいた方がいいと言われた為、
今日は上陸しないことにした。
手前のパラパラを個体が残っている分が、一番海に近いスポットである。
奥に見える分は、干潟中央のスポットと陸側のスポットとが重なっている。
遠目からの観察である為、詳細は分からないが、海側のスポットの残存率・活着率が悪いのは明白だ。
下の写真は、中央のスポット、奥の陸側のスポットの様子。
赤で囲んだ部分が中央スポット、黄色で囲んだ部分が陸側のスポット。
先ほどの海側のスポットと比較すると大分残存率・活着率共にいいようだ。
今回、ダップル・アナム村で面白いものを見せてもらった。
上の写真は、ダップル・アナム村の前の海に作られていた。
魚の養殖場だ。
この様な小屋付きの養殖場が全部で5つ作られていた。
小屋の手前に網が張ってあるのが見えるだろうか。
網の中で魚を養殖するのだ。
養殖する魚の稚魚は、稚魚を売っているお店で買ってきて、餌を与えながら魚が大きくなるまで育てていく。
そうやって育てた魚を市場に売りに行くのだ。
この養殖場はバタム行政からの支援で作ったものだそうだ。
1つを作るのに、およそ2,000万ルピア(日本円でおよそ20万円)費用がかかるそうで、
この1つを4家族で管理するシステムになっている。
魚を売った収益は4家族でわける。
しかし、現時点で5つしか小屋付き養殖場はない為、20世帯の家族しかこの養殖場は使えない。
ダップル・アナム村は100世帯余りが暮らしている為、
すべての世帯が同じようにシステムを使う為には、25戸ということだ。
まだまだ個数としては足りていないが、徐々に増やしていきたいと、ハサン村長が話していた。
Ayo menanam bakau!!