スカナ島 4年と1ヵ月(1)のつづき
今回は嬉しいことに、蛾の幼虫が全くいなかった。
マングローブの幹にくっついている蛹の抜け殻を見ると、すべて蛾になってしまった後の様だ。
下の写真は、自然構成のフタバナヒルギの群集の様子。全ての空っぽだ。
ここから飛び立っていった蛾が産卵する際に、またこのスカナ島にやってくる恐れがある・・・嬉しくないが、多分帰ってくるだろう。
幼虫が繁殖するのには、時期もあるようだから、それも含めて、今後注意しなければならない。
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下の2枚の写真は、自然構成のマングローブの様子。
一枚目の写真は、前回2010年6月の視察時の様子。
ほとんどの葉っぱが食べつくされているが、新芽も出始めている。
二枚目の写真は、今日の写真。4ヵ月の間で、この様に回復している。
すごい生命力だ。
このマングローブの様に、体力のあるものは回復・再生が出来るが、すべてのマングローブがこの様に体力があるわけでない。
下の一枚目の写真は、植林後4年1ヵ月になるオオバヒルギ。
数ヵ月前に、幼虫の被害にあい、葉っぱを全て食べつくされてしまった。
それ以来、葉っぱを付けていない。
それどころか、今回わかったが、幹や枝などがスカスカの状態になっており、おそらく枯死してしまっているようだ。
地中根が生きていて再生する可能性もないとは言えないが、おそらく期待はできないと思う。大変残念な結果だ・・・。
こんなふうに、まだ体力がないマングローブにとっては、幼虫による被害は、命取りになるということがわかった。
光合成を担っている葉っぱを失うことによって、その後、生を維持するための栄養を作り出す方法が断たれてしまうのだ。
前回、誰かによって、植林したマングローブが切られていた。
上の写真の中心部分の1列が全て、幹から切られているマングローブである。
運よく再生できているものはごく少数で、10~20%くらいだ。
下の写真は、植林したヤエヤマヒルギ。
二番目の写真は、支柱根の部分を拡大したもの。
驚くことに、支柱根が大きな石に食いついて、貫通している。
大変なパワーと生命力だ。
黄色の丸で囲んだ部分が、石を貫通している箇所。
下の写真は、前回2010年6月にebioさんがバタムを訪れた時に、植林したオオバヒルギの様子。
植林後、4ヵ月。順調に成長している。
このまま順調に成長してほしい