トモヨン島 2年と7ヵ月(2) | 地球にマングローブを!!FROMインドネシア

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トモヨン島のA1地区にやってきた

A1地区の北東部

この部分には、一番最初に植林したフタバナヒルギが少しだけ残っている。

2007年8月に植林し、植林後2年7ヶ月

2年7ヶ月のこのフタバナヒルギの成長はスカナ島と比べても、とても早い。

枝葉をたくさんつけ、支柱根もたくさん出ている。

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しかし、こんなふうにたくさんの支柱根が出ていても、

この柔らかい土壌ではマングローブが倒れる危険性が高い。

下の写真は倒れたフタバナヒルギの様子だ

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上の写真を見ると、

長い時間をかけてゆっくりとフタバナヒルギが倒れていったことように感じる

そう思う理由は、支柱根がフタバナヒルギの片側に集中しているからだ

フタバナヒルギが支柱根を出すのは、地面にしっかり体を固定することと

重心を中心に留めるためである。

つまり支持基底面の拡大と重心移動のためだ。

そのため、支持基底面の中で重心が片方側に偏った場合に、

その反対側に支柱根を出すことで重心移動を行い、支持基底面の中心付近に重心を戻そうする。

この写真の場合は、右側(この写真では倒れているので上側)に支柱根が集中している。

たぶん支持基底面内で左側(この写真では倒れているので下側)に重心が移動したため、

右側に支柱根を出すことで支柱根の重みで重心を右側に戻そうとしたのではないだろうか

その支柱根の本数が多く、長く成長していることから、

重心が完全に支持基底面から左側に抜けるのに長い時間がかかり、倒れたことんじゃないかと思う


トモヨン島に植林したマングローブは、成長が早く枝葉を多くつけているため

重心の位置が高い上に、土壌が柔らかいために非常に不安定な状態だ。

土壌が柔らかく、波の影響が強いトモヨン島の条件下では、

今後、マングローブが横に成長し支持基底面と背丈の差が小さくなるにつれ、

個体が倒れる(重心が支持基底面から出る)可能性は少なくなってくるんではないだろうか

しかし、それがいつごろになるのだろうか・・・



トモヨン島 A3地区にやってきた

A3地区の西側部分を視察

A3地区では、A2地区と同時期にオオバヒルギを補植し、現在植林後1年6ヶ月だ

この地区では、補植したオオバヒルギが大変順調に成長している。

節数は近づいて確認できないため、正確な数はわからないが、第13節くらいまで出ている

オオバヒルギに近づけない理由は、土壌だ

トモヨン島土壌は全体的にとても柔らかくふくらはぎから膝程度まで土に埋まってしまい、

足を抜いた後には、穴の形が残ってしまう。

だから、マングローブの近くに足跡によって穴ができてしまうと、

潮の満ち引きによって、土がその穴のほうに流れ込み、土が移動するためマングローブが傾いてしまうのだ

こんなことがあるから、トモヨン島では、あまりマングローブに近づきすぎないように注意している

残存率・活着率ともこのA3地区では、約80%と高い水準を保っている。

葉っぱの数が多く、20~50枚程度携えている。

また、今回の視察では枝を出しているオオバヒルギが格段増えている!!


前回2009年11月の視察の際には、枝を出しているマングローブは数本しかなかった。

下の2枚の写真は、前回2009年11月に来た時のオオバヒルギの写真だ

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そして、下にある写真が、今回のオオバヒルギの写真だ!

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今回は、枝を増やしていることに加えて、支柱根を出し始めている!!

この前来たときには、まだ支柱根までは出ていなかったから、

この4ヶ月間の間で、出したものらしい!

植林後1年6ヶ月のオオバヒルギが支柱根を出しているのを見たのは、今回が始めてだ

このA3地区のマングローブは、スカナ島のマングローブに比べて成長がとても早い。

スカナ島では、支柱根が出始めるのはだいたい2年を経過して位である。

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支柱根の成長が早いのには、2つの理由が考えられる

まず、1つ目は、土壌の栄養分である。

トモヨン島干潟の土壌は、見ての通りどろどろで多くの有機物が含まれていると思う

このトモヨン島干潟を含む周辺地域では、ゴンゴンという巻貝の漁獲量が大変多い

そのことからも考えて、養分が豊富にあるんじゃないかと思う

2つ目の理由は土壌の柔らかさと波の影響の受けやすさである。

さっきも言ったように、トモヨン島は土壌が大変柔らかく、海の真ん中なので、波の影響が強い

そのため、さっきのフタバナヒルギのように倒れまいと必死に支柱根を伸ばしているのかもしれない

今後、枝葉が増え、波の抵抗が大きくなるにつ入れて、支柱根がどんどん必要になってくる




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