2009年7月10日 天候は曇り
トモヨン島の北東側からボートで植林現場A3地区へ向かう
<A3地区>
干潟の100mほど手前からでも、すでにマングローブが見えていた
前から、トモヨン村の村長から「もっとたくさんマングローブを植えたい!」
という言葉を聞いていたが、彼がそう言った事もうなずける成長ぶりだ
さらに近づいて行くと オオバヒルギの見事な成長ぶりが見えた
5ヵ月前に(2009年2月)よりも大きく成長している姿が伺える。
早く現場に上陸して確認したかったが、A3地区側からは舟を岸につけることができないし、
岸部では腰近くまでぬかるむため、反対側からしか上陸できない。
<A2地区>
A3地区からぐるっと回り込み、A2地区から上陸
2008年9月に、オオバヒルギ30,000本を、A2、A3地区に補植を行った
現在、植林後10ヵ月である
2009年2月の時は、残存率(植林した本数の内、残っている本数の割合)は70~80%で、
活着率(残っている本数の内、葉を付けている本数の割合)は50%であったが、
今日は活着率が70%程度になっている
この前は、背丈が高いもので70cmくらいであったが、
今日はほとんどの苗木が100cmを超えていた
節も第8~10節出ており、葉は10~14枚つけている
葉は大きく薄い
これはとても健康的な葉である
この前見た時に、とても気がかりだったことがあった
これはフジツボだ
異常なほど大量にフジツボが付いていたので、とても心配だった
しかし、そのせいで成長が悪くなったり、枯れてしまったりなどの影響が出ていないようだ
みんな無事にすくすくと成長している
前回2月の時には、マングローブの種の部分にびっしりと隙間なくフジツボがくっついていた
しかし、今日は、種子の下部約15cmにはフジツボがほとんどついてなく、
上部もまばらな付着のしかただった
種子下部は種子自体が成長し地上から伸びてきた新しい部分だから付いていないかもしれない
それとも、フジツボが弱って剥がれたのか?
理由はよくわからないが、フジツボが少なくなったように見えるのは事実である
それともう一つ気づいたことがある
以前は苗木が傾いたり、生きたまま倒れてしまっている個体が多かった
このトモヨン島の干潟は土壌がとても柔らかい
その為、フジツボの重さや海草の絡まりによって、倒されていた
しかし、今日はそんな様子がほとんど見られなかった
多分、根をしっかりと地面に張り、支えているのだろう
<A1地区>
次の写真は、A1地区のフタバナヒルギの写真だ
このフタバナヒルギは、2007年8月に植林し、現在植林後1年11ヵ月である
前回の視察の時と同様に活着率40~50%であり、その後も順調に成長を続けている様である
そんなに成長が早くないと思っていたものの、今樹高は130cm程になっている
支柱根も伸ばし始めて、横に太る段階に入ったのだろう
海面上に冠部の葉が出るように、今までは背丈をぐんぐん伸ばしていたが、
これからは、安定期に入ってくるのだろう
フタバナヒルギの葉は薄く大きく、ストレスを感じている様子はない
フジツボの付着は少なくなったが、海草の絡まりが見られ、
4分の1くらいの個体に絡まっていたことから、倒れないか見守っていかなければならない
しかし、あまりマングローブの個体の周囲を歩いていると、
土壌がゆるいために、地中根を踏みつぶしてしまう可能性もある
また、個体周辺に多数の足跡の穴があいて、個体が傾き倒れてしまう恐れがあるので、
できるだけ個体に近づく海草の除去作業を控えるよう村長に伝えた
<A3地区>
A2地区からA3地区へ
さきほどのA3地区では、海から上陸できないから、A2地区から徒歩で向かった
この地区は最初フタバナヒルギを植林したが、ほとんど活着できなかったので、
樹種をオオバヒルギに変えて補植を行った
ここも春がきてどんどん成長した様である
A地区の中で1番活着し成長している
活着率90%、ほとんどの個体に十数枚の大きな薄い葉がつき、7~8節程度まで育ち、
樹高は低いもので80cmから高いものでは140cmを超えるものまであり、順調そのものである
トモヨン島 1年と11ヵ月(2)へつづく
Ayo menanam bakau!!