2009年8月23日(日曜日) 天候は雨
インドネシア共和国リアウ諸島州バタム市ガラン島ラメイ岬にある、
インドネシア共和国リアウ諸島州バタム市ガラン島ラメイ岬にある、
NPOライオンズの森プロジェクト植林現場にやってきた。
3月のマングローブ植林ツアーでオオバヒルギとアビセニアを植林し、現在植林後5ヵ月である。
上の写真はオオバヒルギの様子である。
オオバヒルギは種の状態から植林を行った。
よく伸びているもので、種の部分から40~50cm成長していて、現在、第3節まで出ている。
葉は2~4枚ついていて、葉のサイズはやや小さめであるが、厚みはそれほどない。
マングローブは海水の塩分濃度が高い場合に、ストレスを感じて、葉が小さく分厚くなることがある。
しかし、このオオバヒルギに関しては、葉はやや小さめであるが、葉の厚みはそれほどないから、
大きなストレスは感じていないと思う。
葉が小さいのはまだ、成長初期だから心配しなくていいと思う。
オオバヒルギの残存率(植林した本数の内、現在残っている本数の割合)は90~95%だ。
植林したほとんどの種が残っている。
活着率(残っている本数の内、葉を付けている本数の割合)も90~95%で、
ほとんどのオオバヒルギが葉を携えて順調に成長している。
オオバヒルギは同じ干潟の中でも海側に植林したものより、陸側に植林したものが成長が良かった。
その原因として、考えられるのは3つである。
まず1つ目は、波の影響である。
海側では、波を直に浴びることから、
波によって葉が揺さぶられたり、苗木が抜けてしまったりする可能性がある。
2つ目は、浸水時間の長さである。干潟が海側に行くにつれ地盤高が低くなっている。
その海側では地盤高が低い為に浸水時間が長くなる。
浸水時間が長くなれば、呼吸や光合成が行いにくくなる。
3つ目は、泥などの付着物である。
葉や幹の部分にびっしりと泥がこびり付いていて、波等では洗い流されない程のこびりつき様だ。
しかし、陸側のオオバヒルギには、ほとんど付着物が付いていなかった。
葉や幹に泥等がこびりついていると、
固体表面で行う呼吸や光合成が妨げられてしまうため、成長の障害となる。
下の写真はアビセニアの様子である。
植林後5ヵ月である。
一般的に、アビセニアはオオバヒルギよりも塩分濃度が高い場所でも生息できると言われている。
塩分濃度が高くて、オオバヒルギが生息できないところでは、アビセニアを植林しようと考えている。
しかし、私達はまだ、アビセニアを植林した経験がない。
だから、まず試験的にアビセニアの植林をやってみている。
アビセニアはオオバヒルギ等と違って種が小さく、空豆くらいの大きさだ。
直接干潟に植えてしまうと、波に流されてなくなる危険が高い。
苗木の状態まで育ててから、干潟に植樹する方法をとるのがベストだと思う。
今回は試験植林と言うこともあって、苗木の育成はせずに、天然のアビセニアを持ってきて植樹した。
アビセニアの背丈は植林した5ヵ月前からほとんど伸びていない異様に感じる。
葉の数は増えているが、とても小さい。
写真の中で黄色の丸で囲んでいる葉は、この植林現場に移される前から付いていた葉であり、
それ以外の小さな葉はここに来てから付いたものと思う。
かなり大きさに差がある。
さっきのオオバヒルギの時にも話したが、塩分濃度が高ければ、葉は小さく分厚くなる。
多分、このアビセニアにとっては、塩分濃度が高かったのだろう。
アビセニアの中にもインドネシアには主に4種類ある。
このアビセニアはAvicennia marinaであるが、最近Avicennia albaも試験植林を行った。
しかし、Avicennia albaを植えたのは、ダップル・ティガの村長のダルウィスさんで、
今日は同行していなかったので、どこに植えたのか分からなかった。
次回、ダルウィスさんと来た時に、場所を教えてもらい確認しよう。
今日は干潟にたくさんの流木が見られた。
どこかから流れてきたのだろう。
かなり大きいものもある。
流木は潮の満ち引きや波によって、ゴロゴロと転がっていき、
マングローブの苗木をなぎ倒す危険性がある。
今のところは、流木によってなぎ倒されている苗木は見当たらなかった。
しかし、この先、苗木が成長して大きくなれば、それだけ流木に引っ掛かる可能性も高くなる。
せっかく頑張って大きくなろうとしているマングローブがこんなことでダメになっては可哀そうだ。
ダップル・アナムの村長のハサンさんと一緒に、植林現場の外に流木を運び出した。
塩分濃度、浸水時間、汚れの付着、流木と、色々障害はあるけど、
障害に負けないように頑張って成長してほしい!!
Ayo menanam bakau!!