日程
2009年8月8日(土曜日)AM08:00 シドアルジョ水産専門学校(以下APS)教員棟にて、ミーティング。
AM09:00 APS卒業式開始。
AM09:50 APS卒業式会場にて、MOU調印式。
AM11:20 昼食会。
AM11:40 APS学部長室にて、協定書調印。
AM14:00 APS実習地現場にて、植樹式。
共同で、エビ養殖場の再生と地元住民の生活を守るために、マングローブを植林します。
今回のスラバヤ訪問は、シドアルジョ水産専門学校との覚書を交わし、
インドネシア共和国海洋水産省の認証を得て、第一回目のマングローブ植樹式を行うことが目的である。
インドネシアを中心に東南アジアの国々では、
エビ養殖池の開発のために広大なマングローブ林が伐採されています。
マングローブの生息する「汽水域」は、エビ養殖にとっても最適地であるため、
マングローブの森は伐採され、エビ養殖場へと姿を変えていきました。
エビの養殖には、飼料や、特有の病気を予防するための薬剤を大量に投入します。
そのため、エビ養殖池の水質や土壌はひどく汚染され、池の底には、ヘドロ状の土が堆積し、
5~6年間でその土地は死んでしまうのです。
死んでしまったエビ養殖場は放棄され、新しいエビ養殖場を作るために、
新たにマングローブ林が伐採され開拓されていき、マングローブ林の破壊は留まるところを知りません。
インドネシア共和国のエビ養殖場をしている地元住民は、
インドネシア共和国のエビ養殖場をしている地元住民は、
マングローブの森の恩恵や大切さを知らないわけではありません。
しかし、地元住民は自分達の生活がかかっているため、マングローブを伐採し、
エビ養殖池を開拓する他ないのです。
このような「使い捨て」の悪循環が続いているのが現実です。
エビ養殖の仕事がなくなれば、彼らは生活できなくなるのです。
マングローブの森を守りながら、地元住民の生活も守り、共存共栄する方法はないのか?
それを解決する方法として、マングローブの森とエビを共生させる循環型のエビ養殖場を
シドアルジョ水産専門学校と共同で作っていくことにしました。
この循環型エビ養殖場とは、エビ養殖場と自然のマングローブの森が融合した池なのです。
マングローブは水質浄化作用を持ち、土壌を豊かにする為、「生命のゆりかご」と言われ、
自然環境下では、天然のエビの生育地となっています。
つまり、マングローブの森はエビの成長には最適な環境なのです。
マングローブの犠牲の上に成り立っていたエビ養殖とマングローブを共存させることで、
従来「使い捨て」ではなく、いつまでも使い続けられる「循環型」のエビ養殖場のモデルケースを
作り確立することが、今回の共同プロジェクトの目的です。
AM08:00 APS教員棟にて、来賓の方々とインドネシア要人とのミーティングを行った。
本日のAPS卒業式のため、海洋水産省事務次官のSahala Hutabarat氏とその秘書のSyafril Fauzi氏が
ジャカルタより来られていた。
左より 1番目 Bambang氏(シドアルジョ水産専門学校職員兼、エビ養殖実習場責任者)
2番目 西山多嘉禰氏(NPO法人ライオンズの森プロジェクト事務局長)
3番目 海洋水産省東ジャワ州支局局長
4番目 山崎広太郎氏(NPO法人ライオンズの森プロジェクト理事長)
5番目 Sahala Hutabarat氏(インドネシア共和国海洋水産省事務次官)
6番目 山本亮氏(株式会社ワイエルインベスト代表取締役)
右より 1番目 Syafril Fauzi氏(インドネシア共和国海洋水産省事務次官秘書)
3番目 Endang Suhaedy氏(シドアルジョ水産専門学校学長)
4番目 阿久根直人氏(株式会社ワイエルインベストのインドネシア現地法人代表取締役)
2番目 西山多嘉禰氏(NPO法人ライオンズの森プロジェクト事務局長)
3番目 海洋水産省東ジャワ州支局局長
4番目 山崎広太郎氏(NPO法人ライオンズの森プロジェクト理事長)
5番目 Sahala Hutabarat氏(インドネシア共和国海洋水産省事務次官)
6番目 山本亮氏(株式会社ワイエルインベスト代表取締役)
右より 1番目 Syafril Fauzi氏(インドネシア共和国海洋水産省事務次官秘書)
3番目 Endang Suhaedy氏(シドアルジョ水産専門学校学長)
4番目 阿久根直人氏(株式会社ワイエルインベストのインドネシア現地法人代表取締役)
ミーティング会場には、マングローブの果実から作られたお菓子やゼリー、ジュース等が
用意されており、実際に試食を行うことができるようになっていた。
マングローブの果実は食材としての知名度は高くない。
そのため、マングローブの有効利用を提案し、多くの人々に知ってもらうことを目的に、
APSではマングローブの果実の加工にも取り組んでいる。
マングローブの果実に産業価値を見出す事が出来れば、住民達の新たな生活の糧ができ、
それによりマングローブの利用価値が上がり、マングローブ植林が進んでいくことができればと、
このような取り組みを行っている。
AM09:00 楽団の演奏と共に、APS卒業生の入場が始まり卒業式が開幕した。
インドネシア共和国海洋水産省事務次官Sahala Hutabarat氏の卒業生に向けた言葉の中で
次のような話があった。
「この東ジャワ州で生まれ育ったこと、またこの学校で学び生活したことを誇りに思い、
これから社会に出ても頑張ってほしい。インドネシア大統領スシロ・バンバン・ユドヨノ氏と
次期副大統領のブドヨノ氏の出身地もこの東ジャワ州である。」
海軍所轄の専門学校であるため、軍隊さながらの一糸乱れぬ卒業生たちの動作に、
参加者一同清々しい気持ちになり、深い感動を与えられた。
卒業式は、荘厳な雰囲気の中行われ、卒業生たちの希望ある未来を期待させるに十分なものであった。
このAPSの学生は、インドネシア全土より海洋水産を学ぶために集まっており、
卒業後は地元に帰るものも多くいるだろう。
全国に散らばった卒業生たちが、
今後のインドネシアの海洋水産を引っ張っていくことになるのだろうと感じられた。
AM09:50 APS卒業式が終了後、卒業式会場にて、覚書の調印式が取り行われた。
NPO法人ライオンズの森プロジェクトとシドアルジョ水産専門学校、
株式会社ワイエルインベスト3者の共同プロジェクトとして、エビ養殖場にマングローブの植林を行う。
インドネシアでは、エビ養殖場の開発の為にマングローブ森が伐採され、
現在もマングローブ林の破壊が続いている。
エビ養殖場は水質や土壌の汚染により5~6年で廃棄される為に、マングローブ林の伐採は後を絶たず、
破壊の悪循環が続いている。
一方、マングローブには水質や土壌を浄化する作用があり、土地を豊かにし、
生態系を育むゆりかごと言われている。
自然環境下のエビが生育する場所の多くは自然のマングローブ林の中である。
従来、エビ養殖場の犠牲となっていたマングローブをエビ養殖場に植林し、
エビとマングローブを共存させることで、両者が共栄できる仕組みを作り、
確立することが今回のプロジェクトの目的である。
NPO法人ライオンズの森プロジェクト理事長の山崎広太郎氏、
シドアルジョ水産専門学校学長のEndang Suhaedy氏、
株式会社ワイエルインベスト代表取締役の山本亮氏の3者による覚書が締結され、
海洋水産省事務次官のSahala Hutabarat氏により、認証を受けた。
上の写真は、NPO法人ライオンズの森プロジェクト理事長の山崎広太郎氏の署名の様子。
上の写真は、シドアルジョ水産専門学校学長のEndang Suhaedy氏の署名の様子。
上の写真は、株式会社ワイエルインベスト代表取締役の山本亮氏の署名の様子。
上の写真は、海洋水産大臣のSahala Hutabarat氏の署名の様子。
以下2枚は、覚書の写しである。
Ayo menanam bakau!!