2009年6月24日 天候は曇り後雨
NPOライオンズの森プロジェクト植林地へやってきた。
現場東側より上陸。
今日は大潮の為、ふつうなら海面上に出ない土地まで現れている。
普段は海中にある土地である為、緑色の海草が茂っている。
上陸して陸地の方へ向かって歩いて行くと砂地が広がっている。
砂地の地面にはたくさんの小さな穴があいている。
カニの穴だ。
穴の周りに粒状のものが散らばっているが、
これはカニが穴を掘って穴から砂をかき出して出来る砂の粒らしい。
これは、NPOライオンズの森プロジェクトの方々が、
2009年3月にツアーで訪れ植林したオオバヒルギの様子である。
現在、植林後3ヵ月になり、活着率は90%である。
葉っぱの数は2~4枚、節は第2節まで出ている。
一番背丈が伸びているもので、種から伸びた部分は36cm、
種も入れた全体で83cmになっている。
全て同じ時期に植林したオオバヒルギであるが、個体によって背丈の伸びはまちまちである。
節と節の間隔がほとんど離れていないものもあれば、ずいぶんと開いているものもある。
節と節の間隔が広い程、背丈が良く伸びたということである。
同じ場所から採取したオオバヒルギの種に関わらず、このような差があるのは、
植林した時の種の熟し方に差があったものだと思う。
オオバヒルギは胎生種子という状態の種を付ける。
胎生種子というのは、その字のように、種の中に発芽やその後しばらくの間成長するための
養分を体内に蓄えている種のことである。
この植林現場のオオバヒルギには泥などの汚れの付着もほとんどないため、
今後の光合成を妨げられることもなく順調に育って行ってくれるんじゃないかと期待している。
こちらは、ヒルギダマシの様子である。
こちらも先ほどのオオバヒルギと同様植林後3ヵ月である。
しかし、こちらのヒルギダマシの方はあまり順調とは言えない。
植林した当時からあまり様子が変わっていない。
あまり元気がないようだ。
背丈を計っても20cmくらいで、植林時よりほとんど伸びていない。
ピンクの丸で示した部分が新しく出た葉っぱの様子である。
ついているもののとても小さくて頼りない感じである。
成長があまりようない原因は、おそらく泥の付着だと思われる。
そのヒルギダマシの葉にも泥がこびりついていて、黒っぽくなっている。
これでは、光が妨げられて、光合成がうまく行えていないのかもしれない。
実は私達もこのヒルギダマシを植林するのは初めての試みである。
オオバヒルギやフタバナヒルギが育たない土地でも生息することのできるヒルギダマシに注目し、
挑戦しているところだ。
ヒルギダマシは世界中でも、学術的なデータ等がほとんどなく、
オオバヒルギやフタバナヒルギに比べると、研究はかなり遅れている。
わからないことだらけの中で、これからヒルギダマシと向き合いながら、
成長を観察し、育てていこうとしているところだ。
ヒルギダマシと一言で言っても、インドネシアで見られるヒルギダマシには、
少なくとも4種類のものがある。
今回植林したヒルギダマシはAvisennia marinaという種類であるが、
Avisennia albaとい種類も植林してみて、一緒に成長を観察していこうと考えている。
土地に合った種類を見つけ、その種類の植林・育成に努めていることが
何よりも私達には大切なことだ。
Ayo menanam bakau!!