他にも折れている苗木を観察しているとフジツボが剥がれた痕跡がある。
フジツボが剥がれた部分は幹の皮も剥がれ、弱くなっている。
その部分から折れている。
このマングローブの苗木もまだ緑色の葉を付けているのに・・・。
もったいない・・・と残念な気持ちになる。
しかし、そんな中にも希望の光が。
折れてしまったマングローブもまた新たな芽を出している。
中身さえ生きて入れば、まだ復活できるのだ。
こちらは、いれてわずか数cmしか残っていないにもかかわらず、
そこから懸命に小さな小さな芽を出している。
このようなマングローブの姿に今まで何度励まされ、勇気をもらってきただろう。
現場Bの中でも育ちがいい部分がある。
陸に近い干潟の部分だ。
この近くには自然構成のマングローブ林もある。
ここのマングローブは全く泥が付着しておらず、綺麗な苗木もある。
陸に近いことから地盤高も高く、波や潮の影響も受けにくい。
変なものを発見。
海草であるが、マングローブの苗木にくっついている。
苗木の根元に生えているだけかと思い、引っ張ってみたが、抜けない。
どうやら苗木の地中根に絡まっているのだろう。
まるで、これが苗木の根のようだ。
このような苗木が数本みられた。
この海草はマングローブにくっつくのが好きなのか(笑)
害はなさそうだから、そのままにしておいた。
現場C
ここは、2008年6月のツアー植林地の横の干潟である。
ここも土壌が柔らかい。足が10~20cm程度埋まる。
干潟には海草やらサンゴやらもたくさん生えている。
ちょうどツアー植林の直後に植林し、現在8ヵ月である。
マングローブの背丈は低く、葉も2~4枚。
背丈が高いもので80cm程度。
苗木への泥とフジツボの付着が激しい。
あまりたくさん付いているものは枯死している。
いつもどこの現場でも苦労することがある。
それは、「この干潟でマングローブは育つのか?」ということを見極めること。
どの種類が適当か、どの程度残るのか、活着するのか、成長していけるのか。
1つの干潟の中でも部分によって活着率には大きく差が出ることはよくあることだ。
同じような気候、地盤高、塩分濃度、潮や波の影響など同じような条件の場所があって、
参考にしたところで、それは、ここではない。
マングローブの世界的権威である琉球大の馬場先生は、
世界中を飛び回りマングローブの研究や植林指導を行っている。
多種多様なケースを見てきた先生だからこそいうことは、
「植えてみないとわからない」
私も同感である。
Ayo menanam bakau!!