前回の続き。
4回目の横断。さっきの橋より角度が急だ。この先まで車を走らせる地元住民は、やはりプロなのではないか?
ちなみに橋の手前で左折すると、急な階段がある。
ここが西逸見第2陸橋。
もう言うまでもなかろうが、第2があるということは…。
道を渡りしばらくすると、それが見えてくる。
ここが5回目の横断となる、西逸見第1陸橋。最初の地下道と同じくらい、見事な直角だ。
5回目の横断を終えて道なりに歩いていると、早くも道の終わりが見えてくる。ちなみにこの手前に立ち入り禁止の看板があるが、どこに対する立ち入り禁止なのかが明示されていないこと、この道が市道であることから問題ないと判断し先へ進む。
正真正銘、この道の終点だ。歩き始めて20分と経っていないと思う。本当に短い道だった。
ここからは本町山中道路が綺麗に見える。右下にあるのが横須賀線横須賀駅だ。
最初は未成道だと言われて来たからか、この終端部分に違和感を覚えた。ここが仮に未成道だとすると、末端のフェンスとガードレールはいずれ撤去されるべきものなのに、右側にある恒久的な設備と遜色ないものを使っているからだ。汚れ具合的に、右のものと設置されたタイミングはそう離れていないと思う。この先に伸ばすつもりがあるなら、わざわざこんなしっかりしたものを拵えるだろうか。
一応近づいて写真を撮ってみる。この先に道と言える道もないし、何かがあるかと言われれば何も無い。見ていても答えが出てくる訳では無いので、何枚か写真を撮り、引き返す。
先程の西逸見第2陸橋そばの階段を降りると、16号への近道になる。ちなみに途中ヤギ(ホンモノ)が左手に居て心底びっくりした。
階段はかなり急なので注意。

  予想と結果

事前調査、現地調査を行い、分かったことは

・道は本町山中道路に絡むように走る

・道の周りはほとんどが住宅

・末端の設備は恒久的設備と遜色ない

・末端の先には何も無いように見える

ということだ。これだけではなんとも言い難いが、最後の1点からして、この道は未成道ではなく、ここで終わるべくして終わっているのだろうと考える。しかし、なぜグネグネと5回も横断する道を作ったのかなど、疑問はいくつか残る。


その後いくら調べても答えは出てこない。主要な道ならともかく、こんな小さい道のことが載っている資料などまず無いだろう。

そこで、道を管理している横須賀市の土木課の方々に聞いてみることにした。数日後、お忙しいにも関わらずとても丁寧にお答えいただけたので、以下要点を書き出す。


Q.この道は不自然な終わり方をしているが未成道なのか?

A.未成道ではなく、ここで終わるべくして終わっている。この先は都市計画公園区域なので道は作れない。


Q.この道の正式名称と開通年は?

A.市道7024~465~463号と言い、1つの道では無い。開通は大正9年4月1日となっているが、国から市に管理が変わったのがその日なだけで、道自体はもっと昔からある


Q.なぜグネグネと曲がっているのか?

A.本町山中道路の利便性を最優先にしつつ、介護ホームや近隣住民の利便性を考慮した結果。直角に近い角が多いのは工事のしやすさを考えた結果


Q.立ち入り禁止の看板があったが?

A.(意訳すると)道の通行自体は制限していない。


お忙しい中趣味人のために時間を割いて調査頂いた結果、やはり未成道ではないという結論が出た。大正9年以前から道があったと言うが、そもそも本町山中道路が出来たのが平成4年であるから、この道の前身となる道があったということだと思う。


横須賀の小高い丘に存在する不思議な道は、決して未完成の放置子などではなく、広域輸送と地元住民の利便性の両立を成し遂げた立派な道だった。

調査にご協力頂いた横須賀市土木課の方々に、この場を借りて御礼申し上げます。

2024,04,18 追記、訂正を行いました。