脳に原発の骨肉腫の癌細胞が
転移して
一回目の大手術を終えた
2週間後には
また
後頭部に転移が見つかり
今度はガンマナイフで
腫瘍を取ってしまおうと
先生から言われたけれど
その時には
ガンマナイフ適応範囲より
腫瘍は大きくなっていて
急遽手術で取り除くことに
なりました

頑張っても、頑張っても
次々と襲ってくる

今まで、前向きに
病に向き合ってきた娘は
初めて私に
弱音を吐きました

私が看護師になってから
受け持ってきた患者さんで
ここまできて
助かった患者さんはいない

お母さん、私も
もうダメかもしれない

先生から
もし、何か話があったら
私には隠さずに
全てを話して…

そう言われていたけれど
私たち家族は
まだこの時も
治る事を諦めず
ただ治る事だけを信じていました


抗がん剤治療をしている時の
娘の辛そうな顔
ポタンポタンと落ちる点滴を
見ると
辛くなるから
お母さん、私に見えないようにして…
と、悲しそうに言う娘の顔

タオルで覆って
点滴スタンドを娘に見えないように
隠す時の、私の心の中は
ただ…
ただ、身代わりになって
娘を苦痛から解放してあげたい
その事ばかり考えて
下を向くと涙が零れるから
窓の外ばかり
見てた

治療の合間に
撮ったPET検査
右足の付け根に。
左足の膝軟部組織に
怪しく光る部分があり
あちこちの再発が
見られました

主治医も私にも
それが明らかに
何を示しているのか
わかります

このまま、娘を痛みから解き放して
どこか遠くへ行ってしまいたい

そんな衝動に駆られた
時もありました



クローバー赤薔薇クローバー


花農家さんを助けよう!!
で購入した
30本の芍薬の蕾は
こんなに綺麗に花開き


残りは娘の眠る
二箇所の墓苑に

彩…

綺麗に咲いたよ…







~息子たちへ~

この備忘録を
貴方達が
何らかの形で
今、手に取って読んでいるということは

その頃には、もう
お母さんも彩の側に
行っているということだね…

貴方達のたった一人の
妹が
病気になって
短い時間を精一杯生きて
病気と向き合い
工真君を生涯愛し
懸命に生きようとしたその証を

おかんは、一番傍で
見てきました

病気と闘っていた姿
病気になってしまった妹の気持ち
貴方達には
全てが伝わらなかったね

これを読んで
少しでも、彩の気持ちが解ってくれたら
きっと、彼方で
彩も嬉しいと思うよ

あともう少し

読み終わったら
渡したアルバムと一緒に
持っていてくれたら
それだけで嬉しいからね

三人の私の愛しい子たちへ…







空にいる
大切な君を想って…


拙い備忘録
最後まで読んで下さり
ありがとうございました♡


つづくあしあと