読書メーターで評判が良かったので、読んでみたのですが。
10年前に起きた女性の殺害事件。
いまだにその事件は未解決のまま、刑事もヤキモキしていたのだが、またもや若い女性の変死体が発見される。
容疑者として上がったのは3人の男。
寡黙な期間工の大柄な刈谷。
粗暴な行動をして、警察にもマークされていた池田。
彼は、暴力団にも喧嘩をふっかける、いわゆる「いっちゃってる」男だった。
そして、引きこもりながら、夜間に女性をつけまわしていた健太郎。
しかし、健太郎の中には、いわゆる「他人」が存在していて、多重人格者だった。
一体誰が犯人なのか?
新書版で648ページ。
バスの待ち時間にしか読めなかったので、5日間ぐらい読むのに時間がかかりました(汗)
勿体無かったのは「なぜ、犯行を続けていたのか」がラストまではっきりと解明していないことでした。
あの人が犯人なのですが(ネタバレになるので伏せますが)それも奇妙な終わり方で。
せっかく、多重人格という題材も本書の中で吹っかけているのに、それもほとんどが生かされていない状態で。
読み終えて「もったいないなぁ」と思う本でした。
ただ、読み応えはあるかと思います。
10年前に娘を殺害されて、それからこの事件を追っていた父親の事件への執念。
事件を解決しようとする元刑事の思い。
現役の警官の行動。
そのどれもが犯人逮捕への一体感を持っていて。
グイグイと話に引き込まれました
場面が二転三転として、展開がいい意味でノロノロ運転状態。
読者としては、ハラハラしながらそれでも、一生懸命(?)読み進め。
若い女性が複数人殺害されていているので、内容的には全体的に重い感じです。
当初、図書館で予約された本を受け取った時に、あまりの分厚さに「これ、人の頭を打ったら、殺害もできるな」と思っちゃった本でした。
それぐらい、分厚いです。
最後、希望が少し持てたかなぁと。
点数的には90点です。
惜しいところが満載だったので。