久々の摩耶さん作品になります
化石を愛するあまり、京都の名門学校に通う、まりあと彰が遭遇する連続殺人。
廃部寸前の古生物部の部長にして、万年赤点のまりあ。
そして、一人きりの部員、彰。
彼はまりあの幼馴染みで、影では「従僕くん」と呼ばれていた。
まりあの父親の会社で勤める彰の父親から、「まりあのことを見守っていてほしい」と強く言われていたため、仕方なしにまりあが部長を務めている部に入部していた。
しかし、次々と起こる連続殺人を目の当たりにして、まりあの奇想天外な推理が炸裂する。
「犯人ありき」での、その推理は、彰にしてみてば、無理があるものだった。
そして、まりあと彰が行った山で発見したのは、犯罪を犯した逃亡犯の富井が殺害されて乗っていた乗用車。
ここでも、まりあの推理が。
彰はそれを渋々聞いていたものの、結局は解決できずに、山を下山する。
学校に帰ってきた2人を待っていたのは、学年2位の馬場だった。
彼は、古生物部に入部したいと言い出した。
訝しいと思いながら、まりあは入部を承諾する。
彼は、体育館の壁に「化石があるから、確認してほしい」と言い、まりあを呼び出した。
そこで待っていたのは、なんと体育座りをした馬場だった。
果たして殺害したのは?
ラスト、あなたに待ち受けていたものとは。
という作品でした。
ラストは摩耶さんらしいというか、なんというか。
落とし所を間違うと、破裂してしまう物語ですが、それを一つにまとめる作業の難しさを知った作品だと思います。
でも、これほど、登場人物に感情移入できないとは
だって、まりあは美少女(見ているだけでは)という設定で、化石のことしか頭にない、学校でも評判の奇人変人。
お付きの彰に関しては、もはや、何を考えているの分からないというか、この作品の中では「普通の人」設定らしいし。
「赤点探偵とワトソン君」のコンビですが、まりあの暴走を彰が必死になって止めていて。
読んでいて、なんだかちょっとモヤモヤしました。
途中、自殺したと思われる少女の「理由」もはっきりとは判明しませんでした。
ただ、最後に「そう来たか!」と読ませてくれるところはさすがというか。
警察は冤罪で犯人を逮捕してしまうし、ちょっとありえないなぁという展開もありました。
まぁ、そういう話の持って行き方もあるんでしょうね。
「ちょっとおすすめ本」にしたのは、ラストで全てが解決しなかったという点でした
まぁ、時間潰しに読むのにはもってこいの作品かな。
点数的には70点です。