私の叔父は高校教師でした。
たくさん可愛がってもらったし
面白いおじさんって感じだったけど
いわゆる
昔のTHE教師って感じで
礼儀とか言葉遣いは大事にしていて
姪の私達でも少し背筋が伸びるような存在でした。
家庭では
どちらかといえば亭主関白気味な感じでした。
そんな叔父ですが
定年を迎える少し前に体を壊して入院し
定年を待たず、退職をしたんです。
お見舞いに行ったとき
なんだかひとまわり小さくなってしまったような
弱々しい叔父の姿に
切なくなったのを
今でも覚えてます。
教員を退職した叔父に
久しぶりに会ったとき
なんだか表情が穏やかに見えました。
車が好きだという話になって
「どこかドライブ行かないの？」
と聞けば
「行くけどちょっと近所を運転するだけ」
「コーヒーとか飲みに行かないの？」
と聞けば
「家で飲む。人に会いたくないんだよー」
孫が北海道にいるので
「会いにいったらいいじゃん」
と言えば
「栃木から出たくないんだよ。
できれば市内から出たくない。」
そんな調子でなんだか
昔の叔父のイメージと１８０度違うのです。
（お酒も病気を機にやめたそう）
教師時代は
たくさんの人に慕われて
周りに頼りにされていて
アニキって感じで
風貌は
どこかの組長みたいな
感じだったのに
今は毎日早起きして
家中の窓を開け、拭き掃除をし
自分のことは自分でやり
野球中継を楽しみ
大好きな車を二台買うも
どこへ出かけるでもなく
家族と過ごす時間を味わっている。
洗い物なんかも積極的にしてる姿を見ると
昔の叔父を知っているので
ちょっとクスッとしてしまいます。
息子や孫に会いに
ちょっと遠出するくらいしたらいいのになー
なんてちょっと思ったりもしましたが
叔父の表情は明るく
よく笑い
よく語り
今に満足していて
今を楽しんでいて
今の生活を
とても気に入っているように
見えました。
そんな叔父の姿を見ていて
色んな場所へ行って
色んな人と会い
たくさんの人に囲まれることだけが
幸せではない。
そんなことを思いました。
その人が気に入れば
それが幸せの形。
今日も最後まで
お読みいただきありがとうございます。
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