「口内炎が痛い」と

先週はじめに、初診来院の女性の患者さん。



拝見すると、

ベロの横が

噛んだ跡のようなバッテン×がついていて、

若干厚みを持った白いかたまりに

なっていました。



そして、

そのバッテンの白い部分に一致するように、

下顎の大臼歯が内側を向いてはえています。




こすっても落ちない白い病変を

白板症というのですが、

がんになる可能性がある、

お口の粘膜の病気。




状態によっては、

①検査をあやクリニックでおこなって、

経過をみていくこともありますし、




②がん細胞がすでに存在している可能性も、、、

という場合は、

大学病院にご紹介し、

詳しい検査をしてもらうことがあります。





今回は、サッと視診をしただけで、

気持ちがザワザワっとし、


後者の②「クリニックでは検査せずにすぐに大学病院」と判断しました。





患者さんの了解を得て、

iPhoneで写真を撮り、

かつて私が学ばせていただいた、

大学病院口腔外科の上司に

写真を送って相談。

(すぐに写真を送って相談できる

環境、時代に感謝です)




そして、2日後の大学病院の予約もお取りし、

ご紹介状を書きました。





大学病院では、

即日に細胞診と病理検査を行なってくださり、


週末には、

「組織の一部が、がん化している。

治療を開始する必要あり。」

とのご連絡をいただきました。




早期発見につながり、ホッとしました。

患者さんが無事に治療を完了し、

早く平穏な生活に戻れることを願っています。




私は診療をしていて、

常に思っていることは、

患者さんを抱え込んではいけない、

ということ。




研修医を終えたあと、口腔外科に入局したのも、

(先輩方には怒られてしまうかもしれませんが)


命に関わる病気、状態、そして、どうすべきか?

を正しく判断できるようにすることが自分にとって必ず必要だと思ったからです。


バリバリ手術ができるように

なりたかったわけではないのです。





開業しても、

ご指導、ご協力いただける環境にいる私。

ありがたいな、と思っています。