依存症やうつ病の人に対して、「意思が弱い!」「だらしがない!」「甘えだ!」と言うことは、高熱があって動けない人を責めるのと同じことです。
「自分は無価値でダメな人間だ」と思っている人を責めても、自己否定感を強化させるだけで、かえって依存対象にのめり込ませてしまいます。
依存症やうつ病の回復の第一歩は、助けを求める(自分の恥意識を安心して吐き出せる場所とつながる)ことだと思います。
自己開示は恥ではなく、むしろとても勇気があって強くてかっこいい行動です。
先日、ギャンブル依存症の疑いのある方がカウンセリングにいらっしゃいました。
彼は私に、「恥ずかしい話ですが・・・」とご自分のことをとても素直に話してくださいました。
そんな彼を、私は「私が今年お会いした人の中で一番かっこいい!」と心から思いました
ワーカホリックが原因で奥様と離婚した方もカウンセリングにいらしています。
最初の頃は希死念慮もありとてもお辛そうでしたが、日が経つにつれて、少しずつ気持ちが落ち着いてきました。
その方が「今は、離婚したことも、通院していることも、カウンセリングに行っていることも、職場のみんなに隠さず全部話して、助けてもらっています。今更かっこつけても仕方ないので、これからもダメな自分のままやっていきますよ!」と笑うお姿も、本当にかっこよかったです
おふたりとも、自分の弱さや過ちを認め、人に頼る(つながる)ことを覚えました。
ダメな人間だと思い込んでいた自己を明らかにする(=諦める)ことで、初めて「その人らしさ」が表に出てきます。
そこには人間味や愛嬌があり、魅力も感じます![]()
最後に。
依存症もうつ病も誰でもなりうる病です。
誰もが、心の弱さを持っているからです。
うつ病は、時には自分をも騙す病なので、周りの人が先に「おかしいな?」と気づくことも少なくありません。
うつ病になると、自分で病院を探したり予約したりすることも億劫になります![]()
ご本人が受診を拒む時は、周りの人が代わりに病院やカウンセリングの予約を取り、最初は同行してあげるといいと思います。
病院を受診したりカウンセリングを受ければ、すぐに状態が良くなる!というわけではありません。
でも、前回から今回会うまでの間にあった出来事や感じたことについて、誰かと一緒に振り返る話せる場所があることは、自分の変化にも気づきやすく、安心も得られるでしょう。
クライアントの方が、ご自分の経験にどのような意味付けをしていくか。
もちろん、これも一緒に考えていきます。
私は医者ではないので薬を処方することはできませんが、つながりは提供できます![]()
カウンセリングのひとときが、他者とのつながりを見つめ直し、もう一度つながり始めるためのきっかけになればと思っています![]()
さて、
年末が近づくにつれ、あや相談室も企業内のカウンセリングも、ご予約が込み合ってきます。
カウンセリングのご予約はどうぞお早めにお願いいたします☘
皆さまとお話できることをたのしみにしております。