娘は生後3日。

他のお母さんの赤ちゃんは次々に新生児スクリーニング検査を終えて「異常ありませんでしたよー」と帰ってくる。

うちの子はなかなか帰って来ない。

嫌な予感しかなかったけど、いやいやまさかね。

目を覚まして検査できなかったのかなとか、1番最後なのかなと思うようにしていたけど、

助産師が連れてきたときの表情で分かった。

「今回のスクリーニング検査では反応がなかった…でもまだ分からないから、また明日検査してみます」

私はその時全てを悟ったと思う。

この子も難聴なのね…
ごめんね…
息子も娘も、将来私が産んだこと、私が母であることを恨むのかな…
違うお母さんから産まれていたらよく聴こえる耳をもらえただろうに。

ごめんね…そう思うと泣かずにはいられず、4人部屋の片隅で、必死に声を抑えて泣き続けた。

私は2人を幸せにできるのかな。
私は明日から2人に笑顔を見せられるかな。

つらくて苦しい1日になった。


実家に泊まっていた長男、毎日お見舞いに来てくれていたけど、今日は笑える自信がないと思って、会えなかった。
長男が産まれてから初めて一度も会えない日になった。

弱いお母さんでごめんね。


母が1人でお見舞いに来てくれた。
ラインでは難聴みたいと知らせていた。

大泣きしている私を見て、「泣いてると思ったよ」と。

でも母はかわいいかわいいと、娘を抱きしめ笑顔だった。
「大丈夫、みんなで支えられる!絶対幸せになる!」
そう、私の背中をさすった。

その言葉を言う母の表情、声、今でも私は忘れられない。
私を救ってくれた。

お母さんがいるから大丈夫。
私も子どもたちにそう思ってもらえる強い母になろうと決めた。

でも今日は泣かせてほしい。
明日から笑えるように。

その日はとにかく泣いた。